校長ブログ

本校の日本語教育

2025.04.18 グローバル教育

4月18日

 本校では、国際社会に対応できる生徒の育成をめざし、多文化共生の視点を重視した教育を推進しています。今、多様なバックグラウンドを持つ生徒が在籍しており、当然、安心して学べる環境づくりが求められます。その一環として、放課後の日本語指導を実施し、言語面でのサポートを通じて生徒の学びを支えています。

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 海外ルーツの生徒たちの多くは、日本語が母語でないため、学校生活や授業において言語の壁を感じることがあります。そのため、日本語の習得は学業成績だけでなく、日常生活や進路選択にも大きく関わる重要な課題です。

 日本の学校文化に慣れることも大切なプロセスです。例えば、日本特有の文化や敬語表現、グループワークの進め方など、海外ルーツの生徒にとっては戸惑うことが少なくありません。こうした壁を取り除き、多様な生徒が互いに理解し合える環境をつくることが、多文化共生の第一歩です。

 本校では、海外ルーツの生徒が学校生活に適応し、学びを深められるよう、放課後の日本語指導を実施しています。日本語コミュニケーション力が高く、努力家のJ先生は、海外ルーツの生徒たちの気持ちに寄り添いながら、分かりやすく教えることを大切にされています。また、生徒それぞれの学習スタイルを理解し、それに合った指導法を工夫されています。

 卒業生であり、海外経験が豊富で日本語指導を熟知されているU先生の存在も大きいです。生徒たちにとってたいへん親しみやすい存在であり、日本での生活についての相談にも乗ってくださっています。

 産学連携としては、日本語教育に定評のある教育企業の協力も得ています。大学受験指導にも精通されており、学習方法や進学指導についても支援してくださっています。

 日本語指導の目的は、生徒たちが日本社会での生き方を学び、多様な価値観を尊重しながら成長できるようにすること。そして、海外ルーツの生徒には母語や自国の文化を紹介する機会を設け、日本人の生徒たちと互いの文化を学び合うことで、理解を深めてもらうようにしています。

 グローバル・ルームは、海外ルーツの生徒と日本人の生徒が自然に交流できる空間です。日本語が得意な生徒がサポート役となることで、海外ルーツの生徒が学校生活に馴染みやすくなり、同時に、日本人の生徒も海外の文化に触れ、コミュニケーション能力を高めることができるという相乗効果が生まれています。

 本校では、単に知識を教えるだけでなく、生徒一人ひとりに寄り添いながら、多文化共生の精神を大切にした教育を実践しています。生徒たちが安心して学び、将来の夢を実現できるよう、支援を続けていきたいと思います。