校長ブログ
就活
2025.04.09
大学進学研究
4月9日
大学生・大学院生の就職活動の広報が解禁されています。売り手市場が進む中、大学の指導も内定以上に就職のミスマッチ防止に移っているとか。大学は的確な情報を提供する工夫をしているのです。
例えば、三重大学。卒業生が自分が務める企業の仕事内容や会社の雰囲気などを学生に説明する就職ガイダンスを必須にしています。目的としては、「生きた」情報に触れる機会を設けること。学生は70社から4社を選び、30分ずつ説明を聞いて回るそうです。反応もよく、就活相談は満席というから有用なものになっています。今時、インターネットで簡単に情報は収集できるものの、不確かなものも多いのは事実。その意味で、先輩から直接、話を聞けることは自分に合う就職先を選ぶには最適と言えます。
独協大は、職種に焦点を当てた就活支援を始めています。現在、営業、システムエンジニア、商品企画の3つに絞り、卒業生らによる講座を開講しているそうです。講座数は80種類、講座で年350コマというからかなりの充実度です。
立教大も卒業生のネットワークを活用し、就活を終えた学生の連絡先を名簿にし、在学生が連絡を取れるようにしているとか。名簿には約4万2千人の連絡先を載せられているそうです。企業や選考対策に関する情報を提供し、進路選択を幅を拡げています。さらに、学生に話を聞きたい企業を募集し、その企業に在籍する卒業生にアドバイスしてもらう訪問会も実施しています。
今春卒業の大学(院)生の就職内定率は昨年末で96.6%と、前年の同時期から1.5ポイント増えています。(リクルート就職みらい研究所)一方、大卒の3年以内の離職率は34.9%と前年比2.6ポイント上昇しています。(厚労省)
ベネッセi-キャリアによると、大学が重視するのが「学生の就職先への満足度」(36.8%)で最多となっており、その背景には、内定が得やすい環境であるものの、すぐ辞めてしまう昨今の事情があるようです。指導の方向性も「量」から「質」へと移行しており、就職のミスマッチをいかに抑えるかがポイントとなっています。
就職活動における企業の情報提供の解禁日は3月1日と取り決められています。しかし、大卒の争奪戦は激化し、ルールは形骸化しているとも言われています。大学3年生が参加するインターンに関してその実績を本選考で活用できるようになったのが2023年。これによって、多くの企業が独自の早期選考プランを準備するようになりました。いかに就活の質を高めるかは、大学が直面する大きな課題の一つなのです。