校長ブログ

教育移住

2025.04.02 グローバル教育

4月2日

 2026年には在留中国人は100万人を突破する見通しとのこと。ビザ取得の要件緩和が進み、日本移住の門戸が開かれたのです。例えば、教育。子供に日本の教育を受けさせたいと思う中国人が増え、地域によっては家族で来日する「教育移住」が見られます。

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 中国SNSでは「3S1K」が飛び交っているそうです。これは、文京区にある誠之(せいし)、千駄木、昭和、窪町の4つの公立小学校のことで、教育熱心な中国人に注目されているとか。使う教科書や机も、区内の他の小学校とすべて同じであるにもかかわらず、人気が集中しています。

 こうした傾向は文京区だけではなく、港区、新宿区、世田谷区などでも見られるとのこと。難関私立中学をめざす大手受験塾「SAPIX小学部」によれば、いわゆる「タワマン」が立ち並ぶ江東区の豊洲校では10人に1人が中国人であり、今後も増加することが想定されています。

 東大の中国人留学生数も今や3,000人を超え、留学生の7割、全体でも1割以上です。北京大や清華大より入りやすく、留学コストも英国より安く、暮らしやすく、適応しやすいと考えられています。日本で就職し、就労ビザが取得できれば「家族滞在ビザ」が認められ、日本で家族が一緒に暮らし、子供を日本で教育できるわけです。

 一例をあげれば、北海道にある日本初の公立の日本語学校として開校した東川日本語学校。生徒の約3割が中国人であり、町が学費と寮費の約半分、年90万円ほどを負担しています。少子化で減った街の若者を、留学生でカバーするためだそうです。

 大学では、中国人留学生には美大が人気。東京芸大245人、武蔵野美大462人、多摩美大448人、京都芸大692人、京都精華大823人であり、全留学生に占める比率が各校とも7割程度とのこと。(日経調査)背景には在留資格の要件緩和による永住権と結びつきがあるようです。つまり、大学を卒業してから日本のゲーム会社等で働き、自分で描いたゲームキャラクターを世に送り出すだけチャンスがあるのです。

 政府は高度外国人材を対象に、永住権申請に必要な日本滞在期間が従来の5年から1〜3年に短縮しました。また、日本の「クールジャパン産業」に寄与するとし、アニメやデザイン分野などに関わる外国人への優遇策も決定し、就労ビザ取得のハードルを引き下げました。結果、ゲーム、アニメ、デザインといった仕事は、永住には近道ということになり、美大人気につながっていきます。

 高度外国人材の審査も、日本の大学を卒業すれば、決してハードルは高くはないと言われています。審査は学歴、職歴、年収、年齢、日本語能力など、項目ごとのポイントの合計で決まり、70点以上なら高度外国人材に認定され、80点以上なら日本滞在からわずか1年で永住権申請が可能となるようです。

 是川夕徐氏(国立社会保障・人口問題研究所国際関係部長)は、来日する中国人の永住志向は強まっているのは、欧米などと比べて職が見つけやすく、昇進しやすい環境にあるため、永住資格を取る者が増加していると指摘しています。また、永住権を取得すると、配偶者にもビザが認められ、制限なく就労も可能になります。さらに、美大を出て、高度外国人材に認められれば、親にも永住チャンスが回ってくるそうです。

 日本の大学院もターゲット。中国の大学を卒業しただけでは、なかなか日本企業の採用は厳しいものの、大学院修了なら可能性が高まるとの見方です。最近では、特に、学費の安い国立大の大学院進学をめざし、予備校に通う学生も増えているとか。卒業後は日本で就職し、穏やかな生活を送りたいと考えられている方が増えているようです。