校長ブログ
生命の前にあったもの
2025.03.28
教科研究
3月28日
地球上での最初の生命は遺伝情報となるRNA(リボ核酸)をもとにしたものではないかと言われています。しかし、RNAが自然に生じるのは難しく、それ以前になんらかの生命がいた可能性が議論されています。
生命は約40億年前に誕生し、一般にはRNA生命が最初と考えられています。RNAが触媒となって化学反応を促し、物質を作る代謝があったり、自己複製するそうです。
海洋研究開発機構は、生命は深海にある熱水の噴き出すチムニー(熱水噴出孔)で生まれたのではないかという仮説を立てています。そして、海底にある物質から必要な素材が作られたと考え、その合成経路を探っているとか。
このRNAの構造が複雑なだけでなく、脱水反応がいるため、とても難しいそうです。当時の地球にある岩石や物質をもとに、短いRNAの合成に成功したという事例はあるものの、生命には遠いのが現実。同機構の高井研部門長らはチムニーで湧き出ていることが見つかった液体状の二酸化炭素に着目しているそうです。
古川善博氏(東北大准教授)は、陸地の干潟を注視し、沿岸部の岩石に含まれるホウ酸が触媒となり、アミノ酸をつなげたり、塩基をつなげたりすることによってタンパク質やRNAができた可能性を探っています。
地球には、いん石だけでなく、年数百トンもの有機物がちりとして降り注いだとも言われていますが、その大部分が生命が使っていない種類だそうです。アミノ酸や糖や塩基が届くことは分かっていますが、タンパク質やRNAは見つかっていません。
市橋伯一氏(東京大学教授)は、熱や紫外線に弱いRNAが膜に覆われた中に素材がすべてないと生命としてのシステムは機能しないので、当時の地球で維持できたのか疑問であり、RNA生命の前に、代謝で成り立つ生命のようなものが生まれたのではないかと言及されています。高井氏はこの説を支持し、そのような生命ができてはじめて生じたRNAによって乗っ取られたRNA生命が生まれたと考えられています。
また、ノーベル化学賞(2024)を受賞するワシントン大学のデービッド・ベーカー氏の開発したAIソフトを使えば、アミノ酸配列が見つけられるかもしれないと言われています。
小林憲正氏(横浜国大名誉教授)もRNA生命の前に注目し、アミノ酸は分子と結合した高分子として合成され、そうした物質が集まり、化学反応をする中で生命のようなものができたのではないかと述べられています。地球にあった物質はおおよそ推定されていると言われていますが、合成経路の解明はまだ先の話のようです。