校長ブログ
生成AIの解答力
2025.03.01
EdTech教育
3月1日
AIベンチャーのライフプロンプトによると、生成AIに大学入学共通テストで東大文1の受験生の多くが選択するであろう科目を解かせたところ、得点率は約91%だったとのこと。これは、大手予備校の合格の可能性が50%になると予想したボーダーラインの得点を超えています。
得点率は国語94%、英語リーディング98%、数学ⅠA80%、数学ⅡBC93%、歴史総合、世界史探究97%であったにもかかわらず、歴史総合、日本史探究79%でした。AIが学習するネット上のデータ量が日本史は世界史より少なかったことによるものと見られています。
ライフプロンプトは、オープンAIの最新モデルo1(オーワン)を使用。共通テストの問題文を画像データにした上で、AIの質問欄に入力して解答を求めています。国語は縦書きの文章を横書きの文字データに変換して入力、傍線はかっこでくくるなどして設問の意図を認識しやすいようにしています。英語リスニングは音声を文字データに変換して解答させています。
昨年、オープンAIの最新モデルチャットGPT-4に答えさせると、リスニングを除いた得点率は66%だったようですが、最新モデルは文字だけでなく、図と表を理解し解答できるようになっているとか。本校でも生成AIをうまく活用した効果的な学習法についての検討を始めています。
ネイチャー初の女性編集長・マグダレーナ・スキッパー氏とオランダのエルゼビア社で科学技術と医学分野の学術誌の最高責任者・ローラ・ハシンク氏が興味深いコメントをされています。
前者は貢献度の違いはあるものの、とにかくAIを使いながら研究することが一般的になるので、AIを人間の創造的思考と組み合わせることが必要と指摘されています。また、AIはあくまでツールに過ぎず、人間が得意な作業までAIに依存したり、任せたりしないことが重要と言及されています。
後者はチャットGPTで生成した文書は参考文献が不明瞭で、科学に適していないと言われています。エルゼビア社は提供する学術文献データベースを活用したAIツールを開発し、2万7000誌以上の学術誌の論文といった情報に基づいて検索内容の簡潔な要旨を作るなど、研究を支援しています。しかし、論文の査読は内容を要約したり、ファクトチェックできるとしつつ、100%代替できるかどうかは未だ難しい面があるとしています。