校長ブログ
大学入学共通テスト勉強会
2025.02.28
大学進学研究
2月28日
27日、大学入学共通テストの勉強会を行いました。本校では、大学入学共通テストが終了した後、生徒の自己採点だけでなく、各教科担当者には入試分析を行ってもらい、次年度への対策も含め、生徒・保護者へフィードバックすることにしています。
今回の共通テストは、高3から履修している新課程に対応した初めてのもの。志願者数は約495,000人であり、前年より約3,000人増加しています。そのうち、現役生は約426,000人おり、現役生の志願率は45.5%で過去最高となっています。6教科8科目(1000点満点)総合の平均点は理系で633点、文系で620点でした。
新課程に対応して「数学」「地理歴史」「公民」では科目構成が見直され、新たに「情報」が追加されました。作成方針に変更はなく、「知識・技能を活用し、思考力、判断力、表現力を問う」「各教科・科目の特質に応じた学習の過程を重視する」という基本的な考え方をベースにしています。また、複数の文章・資料や図表などを読み込ませた上で、既存の知識を関連づけて解答を導き出す力や得られた情報を組み合わせて多角的・多面的に考察する力は例年通りでした。問題の設定として、「主体的・対話的で深い学び」を踏まえた場面が多く設定され、探究学習の取り組みが重視されていました。
新しく導入された情報Iでは、日常生活での情報の利活用について考えさせる問題が中心でした。既存の知識を問題発見・解決の過程で活用する力が測られました。プログラミングの問題は、部活動という状況設定を理解し、目的に応じて繰り返し文と条件分岐文を組み合わせたプログラムを組み立てる力を問う問題でした。
国語は、試験時間が80分から90分に変更されました。注目された第3問は試作問題Bに類似しており、外来語の使用について複数の資料をもとに考察させる問題でした。受験生の負担増も懸念されたものの、全体で選択肢数を減らすなど、分量調整の配慮が行われました。
歴史総合では、試作問題とは異なり、世界史の知識が必要な出題が多く、日本史を中心に学習してきた受験生には取り組みづらかったかもしれません。時事的なトピックとしては、公共で「男女共同参画社会」をテーマとした出題や、政治・経済で「ロシアによるウクライナ侵攻」を扱った文章が出題されました。
共通テストでは、日常的な場面において知識を活用して運用する力、図表やグラフ等を分析して読み解く力、長めの文章や多くの資料を読み込んで正確に情報を理解する力が求められています。言い換えると、なぜそうなるのかという物事の本質追求という本来の学問に対するあり方に帰着するということです。