校長ブログ

日本語教育

2025.02.21 グローバル教育
2月21

 震度は地震のゆれや大きさ、避難は安全な場所に逃げることなど、防災をテーマにした教材開発を行い、外国人には難しい日本語をわかりやすい表現に言い換える「やさしい日本語」を学ぶ取り組みが進んでいるとか。阪神大震災などの教訓を踏まえ、災害時に必要な情報を発信する工夫がなされているのです。

DSC09567.JPG

 大阪市立総合生涯学習センターと神戸学院大学が作成した外国人向けの災害に備えた教材は、57分の動画を見てから2択クイズがあり、それに答えた後、ワークショップで知識定着をめざす構成になっています。表記は、ルビを振り、分かりやすく言い換えられ、阪神大震災で高速道路が倒れた様子や南海トラフ地震や津波に備える内容などもわかりやすく説明されています。

 福島県国際交流協会は、外国人と日本人が一緒に参加できるやさしい日本語を使った防災講座を行なっています。鳥取県は、医療や災害など、分野ごとに日本語文例集を作成しています。

 在留外国人は350万人を突破し、10年前と比べると2.6倍以上、過去最高となりました。インバウンドも急増しています。文化庁の世論調査(2020)では、やさしい日本語を知っている日本人は29.6%。出入国在留管理庁によれば、ポイントは、平易な単語で短い文章。多言語表示やピクトグラムを併せて活用することも有効とされています。

 海外からみた日本は、科学研究や経済で日本の地位が下がり、ジャパン・パッシングが起きているとも言われます。しかし、科学技術・学術政策研究所(文科省)がアジアや欧米などから来た約2,000名の博士課程1年生を対象とした留学生調査では、留学先と言えば日本が45%、他国も検討したが日本を第1希望とした人が48%、また、長期的、または一時的に住みたい国が日本61%となっています。

 日本学生支援機構の調べでは、日本の大学や専門学校の留学生は約19万人(2023)であり、12年比で37%増加しています。課題となるのは日本語であり、企業への就職や研究職に就くには日本語能力が求められます。京都大学は、日本語能力を問わずに優れた留学生を受け入れ、入学前や学部で集中的に日本語を教えるプログラムを設けています。様々な工夫が行われているのです。