校長ブログ

個別最適な学びに向けて②

2025.02.06 カリキュラム・マネジメント
2月6日

 前回の続きです。

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K:次に生成AIを教育現場でどのように活用しているのか、具体的な事例を教えてください。

校長:AIは教師の指導を補助するためのツールにすぎません。本校では、AIを活用したいくつかの取り組みを進めていますが、特に、探究活動やレポート指導、英語教育の分野で効果を発揮しています。例えば、英語ライティング指導では、AIを使って生徒の文章に対するフィードバックを自動生成することができます。AIは文法や語彙の誤りを指摘するだけでなく、改善案を具体的に示してくれます。また、生徒がAIの示唆を参考に文章をリライトすることもでき、反復学習の効果を高めています。また、AIを活用することで、生徒が作成したレポートやプレゼンテーションの内容に対する質的な分析を行うことが可能になりました。AIは、内容の論理性や構造、説得力に関するコメントを提供するため、教師が細かいフィードバックを補完する役割を果たしてくれているのです。

K:AIには著作権や倫理的な問題も指摘されています。それに対する対応策や教育的配慮についてお聞かせください。

校長:AIの使用には、確かに慎重な対応が求められます。まず、AIが生成したコンテンツをそのまま使用するのではなく、あくまでもツールとして活用するという姿勢を徹底しています。具体的には、AIによる生成物がどのように作られたのか、生徒自身が理解することが重要です。単なる答えのコピーではなく、プロセスを考え、AIが提供する情報を批判的に吟味する力を養うことを重視しています。また、著作権やプライバシーに関する問題にも対応しています。例えば、AIに入力するデータには、生徒や教員の個人情報を含めないよう細心の注意を払っています。さらに、生徒にはAIの活用範囲と限界について教育し、過信や不正使用を防ぐよう指導しています。

K:まとめとして、EdTechと生成AIを活用した教育の未来について、平井校長が描くビジョンをお聞かせください。

校長:私自身、EdTechやAIの活用が教育の可能性を大きく広げると考えています。特に、個別最適化された学びと協働的な学びを両立させる新しい教育モデルの構築がポイントになると思います。これからの教育は、一人ひとりの学びをサポートするだけでなく、様々なバックグラウンドを持つ生徒がAIを媒介にして協働し、新しい価値を創造することがふつうになるのではないでしょうか。そのためには、教員も常に新しい技術や教育方法を学び続けることが大切です。本校では、EdTechやAIを活用しながら、生徒たちが成長実感できる教育環境を整えていくことに注力していきます。