校長ブログ
個別最適な学びに向けて①
2025.02.05
カリキュラム・マネジメント
2月5日
有識者からのインタビュー記事からの一コマを掲載します。
K:御校では早い段階からEdTech教材を積極的に取り入れていますが、個別最適化学習を促進する上でのその意義について教えてください。
校長:個別最適化学習とは、生徒一人ひとりの学習進度、理解度、興味・関心に応じた教育を実現するものです。従来の一斉授業では、生徒全員が同じペースで学ぶことを前提としていました。しかし、現実には、生徒によって得意科目も違えば、学習に必要な時間も異なります。そのため、EdTech教材を活用することで、各生徒が自分のペースで学べる環境を組み込みました。例えば、本校ではオンラインプラットフォームを活用して生徒の進捗データをリアルタイムで可視化しています。このデータを基に、生徒の到達度に応じた適切な課題を出し、教師は個別サポートできます。これによって、生徒は自らの学習進度を把握しながら、学習者自律の姿勢が養えるわけです。また、EdTech教材を用いることで、生徒が反復練習や応用問題に取り組む時間を効率化できるため、教員が対面で行う指導により多くのリソースを割けるのも大きな利点です。
K:具体的には、どのような変化が見られましたか?また、課題もあったかと思いますが、その点についてもお聞かせください。
校長:大きな変化として挙げられるのは、生徒たちの学習への主体性が向上したことです。EdTech教材を通じて、自分の学習履歴や成果が視覚化されるため、生徒が目標設定をしやすくなりました。以前は教師がトップダウン型で指示して進めていた学習が、今ではボトムアップ型の能動的な姿勢に変わりつつあります。課題としては、特に導入初期、教員の中でITスキルに温度差があり、皆が同じレベルでEdTechを活用できるわけではありませんでした。そのため、校内で研修を行い、技術的なサポート体制を整えましたの今では自由自在に操れる教員が増えました。また、生徒個々の進捗状況を見守り、勉強のやり方を指導するファシリテーターとしての役割を定着させるためにタイム・マネジメント・シートを導入し、生徒個々の振り返りの時間を設け、担任や教科担当者のコーチングを組み合わせることで克服しています。併せて、EdTech教材の過度な利用、つまり、学びすぎによる疲労感や、オンラインに偏りすぎた学習で人間的な交流が薄れるリスクも鑑み、対面での学びのバランスを重視する運用を心がけています。(続)
|