校長ブログ

ハイブリッド型学習アプリ

2025.02.04 EdTech教育
2月4日

 生成AIと教師の長所を組み合わせたたハイブリッド型の学習アプリが人気のようです。その名はレシピー(ポリグロッツ)。進展するAIを活用するだけでなく、講師である人間から新機能のアイデアを引き出すことによってアプリ全体の競争力を高めています。

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 レシピーは、ユーザーの学習履歴を記録し、個々の到達度に応じた学習メニューを提供するというアプリで、まさに個別最低な学びを提供するもの。定着に向けて反復学習ができるようにするなど、長期記憶に保存できるような工夫もなされています。効率の点でもTOEICのスコアを100あげるのにかかる時間を通常の3分の2に短縮できるという点が評価できます。

 実際、いくつかの生成AIが問題作成や添削、要約などをこなしていますが、チャットGPTが誤った内容を出力してしまう場合に備えて、グーグルのジェミニをチェックに用いています。その中で、なんと言ってもレシピーのAI活用の利点となるのがAIの最適機能を使い分けているところ。テキストの読み上げにはアマゾン・ウェブ・サービスのポリーやイレブンラボのAI、発音チェックには中国のチボックスと日本のドルフィンAIの技術が活用されています。

 レシピーは、英検やTOEICなどの出題傾向は把握しており、ニーズに応じた最適な問題を出せるところがまさに個別最適。レシピーのアプリ上で英会話レッスンを担当する講師の間でもAIに精度や対応スピードについては脱帽のようです。

 そのような中、チャットを介したユーザーからの質問に講師の声を録音して返事をする機能を加え、付加価値を生み出しています。積み残し解消に向けて丁寧に答えたり、学習上の悩みに真摯に対応したりすることによってAIよりも人間の講師を選びたくなるような仕組みづくりをしているのです。オープンAIが公開した新たな基盤モデルGPT-4oは人と同じような反応速度で会話できるレベルになっており、上級者向けの英会話レッスンもAIが担える期待が高まっています。

 他方、人間と直接、話したいというニーズは根強く残るのは事実。やはり根底にあるのは人間の講師ならではの安心感や信頼感に他なりません。AIと人間が役割分担して教材開発し、教育の持続可能性を高める日は近い将来のようです。