校長ブログ
アニマルウェルフェア
2025.02.25
教科研究
2月25日
日本では約1億3000万羽の採卵鶏が年間、約300個ずつ卵を産み、平均して年に330個の卵を食べているそうです。
多くの採卵鶏は、バタリーケージというカゴで飼われていますが、そのケージは狭く、踏みつけあいながら餌をついばんでいる状態とか。見方を変えれば、一つでも多くの卵を得ようとする効率優先のやり方であり、EUなどではバタリーケージを禁止しています。
枝廣淳子氏(大学院大学至善館教授 )は、アニマルウェルフェアに関する推薦書籍として、各国の具体的な取り組みが解説されている『アニマルウェルフェアを学ぶ』(佐藤衆介、東京大学出版会)、米国で始まった取り組みで、捨てられたペットを収容するシェルターでの殺処分を減らし、動物福祉を向上させようとするシェルターメディスンに関する『動物福祉アニマルウェルフェア』(植木美希ほか、工作舎)、食肉処理場の仕事を経験した動物好きの著者が動物園やペットショップに行き、現場でのインタビューを試みるヘンリー・マンス著『僕が肉を食べなくなったわけ』(ヘンリー・マンス、三木直子訳、築地書館)などを挙げられています。
他方、動物たちが資本主義の中で不当に支配され、搾取されてきたという視点の下、人間は動物たちとの協力体制「多種連帯」を築くべきだとする『抵抗する動物たち』(サラット・コリング、井上太一訳、青土社)もあります。日本はアニマルウェルフェアが遅れていると言われていますが、世界では投資家も動き出している時代、動物らしく生きられるようにしようというアニマルウェルフェアの考え方や取り組みは背景知識としておきたいものです。