校長ブログ
生成AIの活用
2025.02.19
EdTech教育
2月19日
文科省は、小中高校の授業における生成AIの扱い方についての改訂案をまとめ、適切に使えば生徒の能力を伸ばせると言及しています。一方、生成AIが誤った情報を示すリスクも踏まえ、有効活用を検討するよう求めています。
例えば、英語の授業で外国人観光客をテーマにして生成AIとの会話をイメージしてみます。生徒は自分が好きな食べ物を学習用端末に向かって話しかけ、寿司と返答されると、それならどのネタが好きかとやりとりできる時代なのです。
文科省が生成AIに関する指針を示したのは2023年7月。学校での利用を認める際、著作権侵害などのリスクを踏まえ、限定的な利用から始めることが適切としています。併せて、使用を禁止するのではなく、リスク対応ができる学校での取り組みが必要としています。すでに約120校の小中高をパイロット校とし、専門家の助言を得ながら、検証を進めています。
中高生5,000人を対象にしたアンケート(東京都)によれば、生成AIを活用している中学生は47%、高校生は51%。今回の改訂案では、生成AIが人間の能力を補助、拡張、可能性を広げる道具になるとし、より広く活用する姿勢を求めています。
活用できる場面としては、① 生成AIの仕組みや利便性、リスクなどを学ぶ、② 生成AIとの対話方法など、使い方を学ぶ、③ 各教科で考えを深めることなどを目的に積極的に使うという方向性を示しています。また、パイロット校などの事例や教員向けの研修教材も掲載。さらに、働き方改革に対応する意味で、校務や教材、テスト問題の活用事例も提示しています。
しかし、小学校での直接的な利用は慎重に検討するとのこと。学習のあり方については、生成AIで作成した小論文やリポートをそのまま自己の成果物として提出することは不可、あるいは、詩や俳句などの創作活動では初めから安易に使わないようにすべきとしています。さらに、生成AIが学習したデータは回答に偏見や差別を含む危険性があり、併せて、虚偽の情報を出力するハルシネーションについても認識させるべきであり、出力結果を慎重に判断する指導を求めています。
これらの指針に強制力はなく、現場の指導に活かすに留められ、年内に改訂されるようです。今後、教員の情報リテラシーを向上させ、指導力を高めていくことが不可欠であることは言うまでもないことです。