校長ブログ
中小企業の外国人材
2025.01.27
グローバル教育
1月27日
中小企業が働きやすい環境を整え、外国人材を積極的に採用しているとか。条件面の整備だけでなく、受け入れる側の社員教育も充実させています。日本人の採用が厳しさを増す中、トップダウンの効きやすい中小企業の強みを活かした取り組みを展開し、大企業に先んじて人手不足に対応しています。
→
吉野杉で有名な奈良県大淀町にある住宅部材を加工するある企業は、従業員60人のうち4分の3がベトナム人であり、工場長もベトナム人。働きやすさに配慮して社内制度を整えているとのこと。社内制度と言えば、母国への帰国休暇などがあります。帰国休暇は、毎年1~3週間の連続取得が可能であり、期間に応じて3万~6万円の交通費も補助。人事評価も同様です。今では20以上の項目が点数化され、根拠を明確にして説明責任が果たせるものになっているそうです。
通例、日本人が多い職場では周りと同じような行動を求める同調圧力があり、外国人のモチベーションを下げることが懸念されます。東大阪市にあるネジ商社では、過半数が外国人である部署を複数立ち上げ、社内の合理化を進めるDX推進室とネット通販で顧客を取り込む検索エンジン対策を担うマーケティング部が斬新な取り組みを進め、実績が上げているとのこと。
また、和歌山県紀の川市の板金プレス加工の企業は、同社で働くタイやミャンマーなどの外国人の母国語を日本人社員に学ばせており、その数は9カ国語にも及びます。背景にあるのは相手の文化に対するリスペクト。また、社員には国の技能検定を受けるよう勧めており、合格した社員は先生となって若手に対策を教える仕組みを作っています。
長野県上田市にあるハム・ソーセージ製造の企業は、上田市、商工会議所、自治会などとともに「上田グローバル共生社会づくり研究会」を立ち上げています。そこが中心となり、外国人に地域の歴史や文化を教えるツアーを実施したり、着物姿で街を歩くイベントや市職員や住民向けに、外国人に伝わりやすい「やさしい日本語」の研修会もスタート。余暇を含めた暮らしやすさを提供し、地域一体で取り組みを進めています。学校経営にも参考となる事例です。