校長ブログ
日本食の需要
2025.01.22
トレンド情報
1月22日
和食がユネスコ無形文化遺産に登録されて10年以上が経ちました。健康的な食生活を支える栄養バランスなど、健康志向の高まりを受けて、日本食の需要が高まる中、京都の食品メーカーが事業拡大に乗り出しています。
インバウンドへの対応だけでなく、新たに海外に進出する動きも出ているようです。例えば、酒造会社や製茶会社などは、伝統の強みを活かしつつ、新製品の開発を進めている模様。
世界的な健康ブームを受けて、酒造会社が低アルコール商品を拡充しています。アルコール度数3%のチューハイである発酵蒸留サワーを発売した宝酒造は、他社と連携して果皮を発酵してスピリッツを造る技術を開発しています。度数5%の低アル日本酒アルゴを発売した月桂冠は、アルコール由来の辛みや風味がある日本酒は単純に低アルコール化すると味わいが薄まってしまうという課題に対し、酸味を強めることで味わいを補い、日本酒の3分の1程度の度数を実現することに成功しています。
タキイ種苗は、果肉が緻密で日持ちする新品種メロンであるレノンスターの試食会を堀場製作所、日本新薬、村田機械の社員食堂で行っています。背景にあるのは、メロンが品種名で選ばれることが多く、ブランド育成が命運を分けることがあります。
京都府は、お茶をはじめとする京都文化を発信することをねらいとして、大阪・関西万博と同時開催する「きょうとまるごとお茶の博覧会」を北野天満宮で開催。茶の文化は海外でも関心が高く、体験施設では訪日外国人が来客の6〜7割を占めるという福寿園はお茶文化を体験できるテーマパークである福寿園山城館を開業。また、けいはんなオープンイノベーションセンターでは、京都の食文化と最先端技術の融合をめざす展示会「京都フードテックエキスポ2024」を行なっています。
海外に進出する企業も増えています。創業以来、店舗数を着実に伸ばし、東京証券取引所スタンダード市場に上場した京都北白川ラーメン魁力屋を展開する魁力屋は台湾で海外1号店を開くとのこと。グローバル化が進展する現在、海外に向けての発信の一助として、商品だけを売る時代は終焉を迎え、商品を通してどのような体験ができるかを内外で知らしめようとする動きが加速しているのです。