校長ブログ
日本語教室
2025.01.11
グローバル教育
1月11日
在留外国人に日本語や日常生活のルールなどを教える日本語教室が拡大しています。全国約1,900地域のうち、2023年度に教室がない空白地域は4年前より2割減。最も減らした長崎県は「モデル教室」を設けるほか、複数の町による共同開催もスタートさせ、地域住民との交流にもつなぎ、多彩な文化が学べる場としても活用しています。
日本語教室では、日本語だけでなく、食事のマナーやゴミの分別、非常時の連絡方法など、様々生活ルールを教えているとか。運営も自治体やNPOなどが行い、通例、参加は無料、もしくは実費のみの場合が多くなっています。
文科省は、全地域での教室開設を目指しており、専門家の派遣や補助金などの支援策も用意しています。「日本語教育実態調査」(文科省、2023)によると、教室数は全国で1,548と増加する一方、約4割残る空白地域には14万人の外国人が住らしています。空白ゼロは阪神大震災時の外国人とのコミュニケーション不足などを教訓とする兵庫県だけです。
空白地域の調査が始まった時、空白は長崎県の95%(2019)が最多でしたが、造船業などで働く外国人が増加したこともあり、県は「モデル教室」を始め、空白地域を57%(2023)まで減らしています。自治体が日本語教室を開設する際、苦労するのがボランティアを中心とした日本語を教える人材の確保。長崎県では3つの町を巡る教室を始めています。空白地域が93%(2019)だった北海道は、教師の育成のための研修や「オンライン日本語教室」を実施しています。
関西の自治体も日本語教室を拡充しています。兵庫県ではすべての自治体に教室が置かれ、授業回数を増やし、来日したばかりの子どもを指導する教室を設けています。
文科省によると、2023年度に市町村などの空白地域の割合は全地域に日本語教室がある兵庫県に続いて大阪府が7%と低く、滋賀県(21%)、京都府(25%)となっています。神戸国際コミュニティセンターは、市内3カ所で有資格者が指導する初級の日本語教室を無料で開講。京都市は日本語初期集中指導教室「わかば」を開き、中学校に編入する生徒を1カ所に集め、集中指導をしています。
田中恵子氏(神戸国際コミュニティセンター地域日本語教育総括コーディネーター)は日本語学習が必要でも、様々な制約で教室に通えない人が多い点が課題と指摘されています。多文化共生理解に向けた産官学の取り組みがより求められているのです。