校長ブログ
新春インタビュー②-学校経営論
2025.01.03
カリキュラム・マネジメント
1月3日
有識者との新春インタビュー第二弾は学校経営論です。
K:今年はいよいよ神戸山手グローバル中学校・高等学校としてのスタートを迎えられるわけですが、御校はこれまでの伝統を大切にしながらも、未来を生き抜く力を子どもたちに身につけさせるための教育改革を実践されています。先進的な方針の下、生徒一人ひとりの可能性を最大限に引き出す教育の質に焦点を当て、学問的な基盤を築くだけでなく、進学面だけでなく、人間的成長にも大きく寄与する学校として注目が集まっています。推進されているカリキュラム・マネジメントについて教えてください。
校長:簡単に言えば、全体最適を重視するアプローチのことです。各教科や様々な実践が相互に連携しあいながらそれぞれの学びが生徒の探究心や実践力につながるよう工夫し、成長を支える仕組みとしています。これにより、学力向上だけでなく、学びの意欲や自主性も促進されます。具体的には、探究型学習やプロジェクト型学習を通じた教科横断的な学びがそうです。生徒たちはなぜ学ぶのかという本質的な理解を深めることができ、大学入試だけでなく社会での実践力も身につけられる点が特徴です。
K:校長先生は大学でも教鞭を執られていますが、そこでも学生が自ら課題を発見し、解決策を見出すプロセスを重視されておられるのですか?
校長:ええ、もちろん。講義はこれまで得た知識や経験を基にデザインしていますが、中高大ともに理論と実践が融合したカリキュラム設計を基本としています。
K:探究型学習やプロジェクト型学習を進めるには個別最適な学びと協働的な学びをうまく融合した指導が必要だと思うのですが、御校はICTを活用した個別最適な学びが進んでいると伺っております。そのあたりをお願いしたいです。
校長:進んでいるというか、今やEdTech教材を活用した自己調整学習や説明責任を果たす意味での情報の一元化はありふれた光景になりました。生徒個々の学習ペースや理解度に応じた指導に加え、データの分析を指導に活かし、きめ細かなサポートを行うことがモチベーションの維持につながり、学習習慣の定着になると考えています。
K:おっしゃる通りです。教員の育成はどのようにされているのですか?
校長:OJTによる教員同士の学び合いや継続的な研修に加え、若手教員には、DXハイスクールとしての取り組みや委託研究を獲得して生徒のフィードバックしてもらうようにし、相乗効果をはかっています。情報、数学、理科の先生が3年連続で委託研究を獲得し、ユニークな研究を進めてくれているので、理数教育の向上を期待しています。大切なのは、最新の教育理論や指導法を学び、実践に活かす環境を整えること。教職員全体が学び続ける学校文化を形成し、学校全体が進化させることが学校全体としての教育力向上につながるのではないでしょうか?
K:その通りだと思います。地域連携についてもお伺いしたく思います。
校長:「地域に開かれた学校づくり」に向けた産官学の協働を柱の一つにしていますので、地域の教育資源を積極的に取り入れるようにしています。探究学習や関西国際大学との高大連携プログラムを通じて、プロジェクトやインターンシップの機会を提供しています。それ以上に同窓会との連携は特筆すべきものがあります。中高の卒業生は約2万人おり、地元の元町、三宮には多くの卒業生が暮らし、社会で活躍されています。本校では広報部がデータサイエンス部と連携して、「お店訪問」と題してOGの営むお店を訪問、インタビューしたり、インスタグラムを作成するだけでなく、実社会を直視し、将来の進路選択やキャリア形成に必要なスキルを与えていただいています。格別な支援をいただいている同窓会は最高のパートナーであることを実感している次第です。
K:聞いています。同窓会や保護者会との結束性は凄いようですね。伝統校としての価値を大切にしながらも、時代の変化に応じた大胆な改革を進められる御校ですが、伝統を未来に向けて再定義するという姿勢が高く評価され、学校全体の活性化に繋がっている点が最大の魅力です。私も個人的に御校の大ファンなのですよ。御校の取り組みは、生徒一人ひとりの成長を徹底的に支援しつつ、変化する時代のニーズに対応するものであり、その優位性は受験生の保護者にとっても注目すべきポイントだと確信しました。
校長:ありがとうございます。
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