校長ブログ
日本の教育問題を考える①
2024.12.30
トレンド情報
12月30日
文科省の調べでは、小中学生の不登校は11年連続で増加、34万を超え、過去最多を更新したとのこと。コロナ禍において、行動制限による生活の乱れなどが影響した可能性があると見られています。コミュニケーションしにくい環境が続いたことによる影響は大きく、メンタル面でのケアや学校内外の居場所づくりがないとさらに深刻な事態に陥るケースが想定されます。
「問題行動・不登校調査」(文科省)では、病気や経済的理由などを除き、年間30日以上登校していない状態を不登校と定義しています。小学生の不登校が13万を超え、前年と比べると24%増加し、中学生の11%増加以上に目立っています。ちなみに、年間の欠席日数が90日以上の児童生徒は不登校全体の55%を占め、19万以上となっています。
コロナ禍において、不登校の支援を進める教育機会確保法も施行されました。結果、臨時休校なども経て、学校に無理に通う必要がないとする価値観が広がったのも事実。不登校について、教員が把握しているのは「学校生活に対してやる気が出ないなど」が32%で最多となっています。
いずれにせよ、子どもの学ぶ権利を保障することが最優先事項。安心・安全の下、学校内外で学べる選択肢を充実させ、不安や悩みに対応できる体制を拡充することが求められます。文科省はスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを増員するだけでなく、小中学校の空き教室などを居場所として利用する校内教育支援センターを設置し、不登校特例校として学びの多様化学校の拡大を構想しています。自治体は、民間のフリースクールを支援したり、メタバースによる居場所づくりを進めるなど、チームで解決する体制づくりに注力しています。
同調査では、小中高校・特別支援学校におけるいじめの認知件数は前年から7%増の73万件を超え、過去最多を更新しました。心身に被害を負ったり、長期欠席となった重大事態の発生件数は初の1,000件を超え、1,306件となっています。
重大事態のうち38%は、深刻な被害が生じるまで、いじめとして認知されておらず、文科省は兆候を見逃したり、教員が一人で抱え込んでしまうことが急増の要因と分析しています。「ネットいじめ」も増加しています。昨年、2万件を超えて過去最多となり、中学生が9%、高校生が16%で学年が上がるほど高くなっています。暴力行為の発生件数も10万件を超え過去最多と課題山積です。
学校だけで対応することが難しい事案が増加していることから、文科省は、事案対応と再発防止につなげることを目的として、来年から専門家チーム「いじめ対策マイスター」を20の教育委員会に設置する方針を打ち出しています。