校長ブログ

私立中高入試の変容②

2024.11.20 入試情報
11月20日

 前回の続きです。

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A:今後、入試を作問していく上で変えていくべきものは何だと思われますか?

校長:試験内容のさらなる多様化ではないでしょうか。特に、思考力・判断力・表現力を問う問題が増えている一方で、従来型の暗記重視の試験が大半を占めているところもあります。大切なのはバランス感覚であり、今後、より実践的な力を問う問題や社会問題に対して自分の考えを論理的に表現する力を評価する仕組みをつくることが不可欠だと思います。

A:入試の公平性を担保するための対策も必要ですね。

校長:勿論。デジタル化が進展する一方で、オンライン環境に恵まれない受験生に対する配慮や経済状況に左右されない入試制度の整備が求められます。例えば、オンライン面接や試験の際に必要な機材やインターネット環境を提供する仕組みや経済的に困難な状況にある生徒にも受験機会を平等に提供する奨学金制度の充実が考えられます。

A:平井校長がいつもおっしゃる不易流行の不易の部分はいかがでしょうか?

校長:個別最適な学びで基礎学力をしっかりつくり、それを妥当性・信頼性・客観性をもって評価する仕組みです。どのように教育が多様化しても、基礎学力ほど大切なものはありません。コミュニケーション力、読解力、論理的思考力等々、基礎学力と言われるものはたくさんありますが、将来の学びを支えるスキルはしっかりと評価し、フィードバックできるカリキュラム・マネジメントが学校に課せられたミッションだと思います。

A:2024年度の関西の私立中高入試についてざっくりとした振り返りとまとめをお願いします。

校長:私立中高の入試についても教育の多様化やグローバル化、そしてデジタル化の波を受けて大きな変化を遂げてきました。しかし、こういった変化を受け入れる一方で、教育の本質である基礎学力の評価や個性を尊重する個別最適化の姿勢はより大切にしていかなければなりません。今後も、社会の変化に柔軟に対応しながら、受験生一人ひとりのポテンシャルを最大限に引き出す入試制度の構築に尽力していきたいと思います。