校長ブログ

通信制大学

2024.11.09 大学進学研究
11月9日

 オンライン学習がありふれた光景となり、少子化にもかかわらず、通信制の高校や大学は生徒・学生数を増やしています。大学で言えば、ドワンゴと日本財団が構想する通信制のZEN大学が2025年度に開学の方向とか...。オンラインを活用し、どこにいても幅広いカリキュラムで学ぶことができるという強みがあり、教育格差の解消につながりますが、ポイントは学びの質の確保ということになります。

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 ドワンゴは、通信制のN高等学校、S高等学校を設立しています。大学も通学する必要はなく、オンラインで学士号を取得できるとのこと。学部は、知能情報社会学部のみであり、デジタル産業の分野などの科目を選択して学ぶことができるそうです。教員スタッフには、AI研究の専門家を配し、授業料は年38万円と国公立大より安価。入学定員は3500人であり、通信制では放送大学(15千人)に次ぐものとなっています。

 いまや18歳人口は減り続けていますが、ニーズがある以上、大規模な学校が出来上がるのは当然のことです。大学の通信教育は1950年に6大学で始まり、1983年に完全通信制の放送大学が設置、1990年代になると開設が続き、現在、通信制の大学は40校を上回っています。

 通信制大学の学生数は2005年に20万人を超えますが、その後は減少し、2020年に16万人程度となりますが、コロナ禍でオンライン学習が定着するなどして増加に転じ、2023年に18万を超えています。特に1822歳の学生の増加が著しく、2023年は33931人で5年前から倍増しています。(文科省)これは、通信制高校の生徒が増加していることと関係があるようです。2023年時点で約26万人となり、高校生全体の1割弱を占めるほどになっています。その延長線上で、通信制大学に進学するケースも多いと考えられています。

 通信制大学を設立する場合、校舎整備などへ多額を投資する必要がなく、授業料を安く抑えられるというメリットもあります。また、リスキリング(学び直し)を求められる社会人学生からの注目度も高くなっています。その意味で、時間とコストがかからない通信制大学を選ぶ人は今後も増えることが想定され、マーケットとして拡大する可能性があるわけです。

 入学時に学力試験はなく、書類審査のみとするところが多く、それが学生数が増える一因になっている反面、4年で卒業した学生は約半分とも言われており、その意味でのサポート体制が求められています。中央教育審議会は、遠隔教育の質の保証や向上、対面授業と遠隔授業を組み合わせたハイブリッド型教育の促進策をまとめを公表していますが、今年度中の答申をめざすそうです。