校長ブログ
駅弁がコラボ
2024.11.27
トレンド情報
11月27日
神戸市にある「ひっぱりだこ飯」(淡路屋)は駅弁で有名ですが、人気キャラクターや異業種と連携した駅弁の開発に力を入れているそうです。近年、駅弁市場が縮小する中、鉄道の高速化の影響もあり、付加価値を高めて顧客を開拓するのがねらい。コラボ駅弁などの新企画は、さらなる知名度向上につながり、企業の成長に寄与しているようです。
「ひっぱりだこ飯」は、たこつぼを模した陶器に、ご飯としょうゆなどで甘辛く煮たタコの足や穴子、野菜などを詰め込んだ商品ですが、今回、千葉県にある銚子電気鉄道とコラボして、銚子電鉄の「ぬれ煎餅」や銚子産いわしを加えて「銚子電鉄相互乗り入れひっぱりだこ飯」を開発。陶器も銚子電鉄の車両カラーで親しまれている深茶と赤の2色を基調としています。
コラボ第1弾は「ゴジラ対ひっぱりだこ飯」(2019)であり、ゴジラの口から出る放射熱線を受けたという設定で、具材に焼いたタコを使ったり、つぼを黒くしたりするなど、工夫を凝らし、大好評となっています。その後、ハローキティ、さかなクンなどとコラボするだけでなく、異業種まで広げ、コラボ数は100近いとのこと。コロナ禍ではひっぱりだこ飯自体のブランド力を活かした独自のグッズの開発にも力を入れ、食べた後の陶器の用途を広げるなど、発展に向けた惜しみない努力を続けられています。駅弁のブランド力がその味にあることは不変です。しかし、事業機会を増やし、消費者の期待に応えようとする姿勢は参考になります。
[参考]「神戸北野テラス」では、街並みや海を見ながら、地元の食材を盛り込んだ「世界一の朝食」を楽しむことができるとのこと。フランス料理界の重鎮である故ベルナール・ロワゾー氏が考案したメニューが基本にあり、ルレ・エ・シャトーから世界一(1989)と称賛されています。兵庫県産の食材を盛り込み、旬の野菜やフルーツを低速ミキサーで搾る「飲むサラダ」、丹波の黒豆やナッツを添えた「タピオカ・オ・レ」も人気です。付加価値の高い朝食を提供し、持続可能なかたちを目指しているというコンセプトも勉強になります。