校長ブログ
インバウンド1億人時代
2024.11.05
グローバル教育
11月5日
インバウンド、つまり、訪日外国人が増加しています。日本が国際観光市場であることを考えれば、年間3000万人台の訪日客が2050年頃には3倍以上の1億人前後になる見込みとか。
おもてなしのあり方にも変容が見られます。ベンチャー企業フォーステックが海外から導入し、全国40カ所に400台を置いたスマートゴミ箱、略して、スマゴ(SmaGO)がその典型。太陽光で発電、中身がたまると自動圧縮し回収時期を知らせてくれます。大阪の道頓堀商店街ではポイ捨てゴミが7割減ったそうです。
日本では、テロ防止対策もあり、公共の場にゴミ箱はありません。しかし、食べ歩き食品を売っている以上、ゴミ箱は不可欠。開かれた町にしていくために様々な工夫がされているのです。
コロナ禍以前には政府は訪日客の目標を2020年に4000万人、30年に6000万人としていました。国連は増加率を年率3%から4%と見込んでいましたが、そのペースでいくと、1億人までは20年かかりません。そうなると、国内観光客向けのインフラ整備が問われます。
次々と発想豊かな観光ベンチャーが誕生しています。神戸市にあるフードピクトは、食材を表示するピクトグラム(絵文字)を開発し、大阪の一流ホテルなどが採用しています。ピクトグラムの表示があれば、日本の食文化を楽しむことができます。東京にあるバリューマネジメントはお城に泊まる「城泊」を商品化、オマツリジャパンは有料席の設定と販売で地域の祭りから経済効果を引き出しています。京都市のツーリストシップは外国人に対して楽しくマナーを伝える企画を実践しています。過疎地の活性化にもつながります。
海外ではかつてドイツが地方の町が連携して「ロマンチック街道」を名乗り、観光客を呼び込みました。今、日本では、島根県と鳥取県が連携し、「ディスカバー・アナザー・ジャパン」(もうひとつの日本発見)をキャッチコピーにして「San'in(山陰)」を売り込んでいます。かつては欧米が多かったものですが、これからは近隣のアジア、特に、インド、中東、アフリカが増加することが見込まれます。
島国と言われる日本を考えた場合、自然や文化など、観光資源を活用しなければなりません。近年、日本人の旅行需要は伸びていないようです。インバウンドが増加すれば、当然、言語の「壁」が生じます。ネイティブの働き手も必要になります。また、ツアーや車での案内などは、旅行業法など法律があります。克服しなければならない課題があることは事実です。