校長ブログ

女子理系人材

2024.10.25 トレンド情報
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 産官学が共同してSTEM(科学・技術・工学・数学)教育を推進することによって、女子高生が理系人材が活躍する職場を体験できる機会が増えてきています。長期休暇中にはIT企業を訪問し、女性技術者との交流会も設けるなど、様々なイベントが見られます。

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 例えば、米半導体大手エヌビディアの日本法人。女子高生に理系のキャリアイメージをもってもらうことを目的として、都が開催するツアーで会社説明会を開いています。都の女性活躍推進担当は、日本でのSTEM分野での女性の活躍が十分ではなく、向かないなどと思い込まず、将来へのイメージを膨らませてほしいと述べられています。都内の中高生徒にチラシを送付したところ、定員460人のところ、約6500人の応募があったそうです。

 また、東京ドーム5個分の敷地で半導体向け材料を生産している茨城県にあるJX金属の磯原工場では、同社と包括連携協定を結ぶ茨城大学工学部と協働し、技術開発センターで電子顕微鏡など、様々な装置を使って素材の解析や開発をする社員らと交流する機会を設けています。

 取り組みのねらいとして、工学分野における男女共同参画がありますが、同時に、人材流出への危機感もあります。また、製造業が多い地域ほど男性が工学部へ進学する傾向が強い特質を鑑み、先端企業でのキャリアパスを女子中高生に示し、地元の大学から企業へという流れをつくることが地域発展のためにも不可欠とされています。茨城大学では工学部の3学科で女子枠を設け、地域で活躍する女性の育成を進めています。

 茨城大学が補助金を受けた科学技術振興機構の「女子中高生の理系進路選択支援プログラム」はこれまでに大学中心に68機関が採択されています。また、香川大学が半導体集積回路製造のアオイ電子、大分大学は大分キヤノンと連携したバスツアーも企画されています。内閣府の「理工チャレンジ(リコチャレ)」は大学や企業による理系イベントを紹介し、理系分野で働く女性らのメッセージを発信しています。

 ベネッセ教育総合研究所によれば、企業の採用意欲が活発化したにもかかわらず、女性の理工系人材は少なく、争奪戦になっているとか。そうなると、企業と大学をつなぐ動きも出てきます。公益財団法人である山田進太郎D&I財団は、ドイツの全国的キャンペーン「ガールズデー」を手本にして女子中高生に職場体験プログラムなどを提供する新事業「Girls Meet STEM」を立ち上げています。理系女子を育てる動きが広がっているのです。