校長ブログ

デジタル赤字

2024.10.18 トレンド情報
10月18日

 日本から海外のテック企業への支払いが増え続けており、いわゆるデジタル赤字に陥っているそうです。稼ぐ力がないと国内の富が海外に出ていくばかりになってしまう状況なのです。

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 今、グーグルで検索し、チームズやズームで打ち合わせを行い、アマゾンで買い物をし、ネットフリックスやユーチューブで好きな映画やドラマ、動画を見るのが日常茶飯事になりました。しかし、これらは皆、海外のIT企業が提供しているもの。日常生活で使用しているデジタルサービスは海外のものが大半を占めており、使うたびにお金が海外に出ていっているのです。

 財務省によると、グーグルやマイクロソフトなど、テック企業への支払いからくる赤字は、5.5兆円に達している模様。5年前の1.7倍であり、コロナ禍の収束で増加した旅行収支の黒字を打ち消してしまうレベルとか。大切なのは、海外のものを使って、日本の企業がいかにイノベーションを生み出すか。デジタル化が進み、生産性向上につながれば日本発のサービスや製品が人気になるかもしれません。

 デジタル赤字が懸念される中、昨年の経常収支は前年度の3倍近い約25兆円もの黒字になっています。これは日本企業が海外で積極的にM&A(合併・買収)を進めた結果であり、「投資立国」と言われる所以です。その意味で、もはや「貿易立国」ではありません。現実的に、輸出は自動車が安定していますが、かつての家電や電子機器は厳しくなっています。輸入は原油などエネルギー関連が大きな部分を占め、赤字が続いており、貿易とデジタルの赤字が投資で稼いだ黒字を圧迫しているのが現状です。ちなみに、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は約4兆円とのこと。新たな分野としてはマンガ、アニメ、ゲームといったコンテンツ産業が期待されています。