校長ブログ
ベトナム人リーダー
2024.10.09
グローバル教育
10月9日
大阪で日本で働くベトナム人のためのリーダー養成講座が開催されました。言葉の壁をなくすために、ベトナム語のテキストを使い、通訳つきだとか。日本式の経営手法を教え、人材不足の中小企業が社員を送り込み、すでに卒業生からは工場長も生まれているところもあるそうです。
産官学で構成される公益財団法人である太平洋人材交流センター(PREX)は「ベトナム人リーダー育成研修」を開講しています。外国人向けのリーダー育成研修は全国的にも珍しいもの。 2014年以降、受講生の累計数は49名、派遣企業は25社にのぼります。
1990年に設立されたPREXは、企業97社と大阪府市など6自治体が拠出した35億円を原資に運営されています。主に、JICA(国際協力機構)からの委託で新興国の行政官や経営者の研修を実施しており、「ベトナム人リーダー研修」は事業の一つ。
PREXは研修について、日本語が使いこなせない外国人は職場で孤立する可能性があるものの、日本の経営のやり方を理解すれば疑問点が解消され、成長につながると考えています。カリキュラムは、経営理念、組織管理、人材育成、改善のテーマからなっています。
例えば、金銭だけに頼らない動機づけをテーマに組織管理を学んだり、接客のあり方を合理的に改善したりといった具合。研修最終日には、学習したことを職場で生かすためのアクションプランとして、派遣元の社長や上司の前で披露するとか。中小企業に足を運ぶ現場研修もあります。倒産寸前の金属加工製作所は、3S(整理・整頓・清掃)活動を通じて立ち直っています。
かつて外国人と言えば、いずれは母国に帰ることを前提に一時的な労働力とみなす企業が多かったのも事実。しかし、今や少子高齢化が進む日本では外国人と協働することがこれからのグローバル社会を生き抜く術であることは言うまでもありません。幹部候補が育てるリーダー養成講座は時代を映し出す鏡でもあるのです。