校長ブログ
外国人労働者不足
2024.08.26
トレンド情報
8月26日
JICA(国際協力機構)によれば、2040年には外国人労働者が688万人必要だそうです。人材供給の見通しは591万人であり、97万人が不足する計算。人材獲得は益々激化することが予想されますが、受け入れ環境を整備し、来日後のつなぎ留めがポイントになることは言うまでもありません。
前回の推計(2022)では、2040年で42万人が不足することが試算されましたが、アジアから来日する労働者が減ったため、不足人数が倍増することになりました。ベトナムなどでは円安の影響で来日を希望する人が減っています。外国為替市場の影響は予測しにくいものの、不足人数はさらに増加する可能性があることは疑う余地がありません。
国内の労働力が減少する中、GDPの年平均1.24%の成長目標に達成するためには、2030年に419万人、2040年に688万人の外国人労働者が必要です。通例、送り出し国の1人当たりGDPが一定水準に達するまで先進国への移住は増えるとされています。
日本にいる外国人労働者は2030年に342万人、2040年に591万人と想定されており、外国人材の必要人数と比べると、2030年に77万人、2040年に97万人不足すると言われています。
厚労省によると、外国人労働者は204万9千人(2023.10)で過去最多となっており、中国やベトナムだけでなく、出身国は多様化しています。ベトナムは2030年の入国者が22万5千人とコロナ禍以前の2019年比で8割増となるものの、その後に伸びが止まり、2040年には26万人となります。ミャンマーなど増える国もあることはあるのですが、全体の不足分を埋めることはできない状態です。
外国人材を確保するには、来日する人数を増やすだけでなく、長くとどまってもらえる環境づくりをすることが肝要です。海外では、韓国や台湾も少子化対策として受け入れには積極的です。日本では2027年を目処に、技能実習に代わる新しい制度として育成就労を導入し、特定技能と対象業種をそろえ、3年間の育成就労を終えても特定技能に切り替えやすくする方向性が打ち出されています。
課題となるのは日本語コミュニケーション力に他なりません。日本語教育推進法には、外国人材や家族への日本語教育を定めていますが、中小企業が自前で教育するのは容易でなく、官民で環境づくりを進める必要があるのです。