校長ブログ

集中力

2024.08.02 トレンド情報
8月2日

 集中力が人間の脳にとって最も大切な働きの一つであり、物事を効率よく進めていくためには欠かせないものであることは周知の通りです。いわゆる頭の良し悪しも脳の前頭葉にある集中力に関わる回路と関係があることがわかっています。

DSC00854.JPG

 集中力では引き算が大切と言われています。脳の活動では、何かに没頭している時、活性化している領域は平常時に比べてむしろ絞られるとのこと。つまり、取り組んでいる課題に関係する回路以外を抑制することで集中力が上がるというわけです。

 DX化が進み、集中力の質を高める手段は増えたものの、注意散漫になるのは常、引き算を通して一つのことに集中することが難しくなっています。そのような中、まとまった文章に接する意味で、本を読むことが集中力を高めるトレーニングになります。

 AIを用いて人間の脳の働きを高める可能性が綴られている『夢を叶えるために脳はある』(池谷裕ニ著、講談社)には、脳の活動を可視化することによって潜在能力を開花させ、人自体を進化させるとあります。しかし、テクノロジーがどれほど発達しても、十分な休養によって脳のコンディションが整っていなければ集中力の質を高めることはできません。ジョン・フィッチ、マックス・フレンゼルは、『TIME OFF』(クロスメディア・パブリッシング、ローリングホフ育未訳)において、創造的な仕事をする人が十分な休暇をとっている実例を挙げ、休息が良質の集中につながり、創造を生み出すことを描いています。

 集中するために必要なものが自己肯定感。誰でも物事に対して否定的な見方ばかりでは新たなことにチャレンジできなくなってしまいます。大切なのは、先が見えなくてもまずはやってみること。『自分はバカかもしれないと思ったときに読む本』(竹内薫著、河出文庫)には、自信をなくした時の乗り越え方が体験を基づいて語られています。

 現代は、生成AIとのやりとりの中でどんなプロンプト(指示)を出してくるかで集中力の方向が決まってくる時代。より多くの情報を収集し、方向を見定め、明確なビジョンの下に集中してはじめて成長することができるのです。