校長ブログ
スタートアップ企業
2024.07.12
トレンド情報
7月12日
日本ではスタートアップ企業が育っていないようです。時価総額10億ドル(約1560億円)以上で上場していない、いわゆるユニコーンとよばれる企業はほとんどなく、米国の100分の1程度。経産省は、大企業との連携が成長につながると見ており、不利な契約にならないようサポートしていくとのこと。
日本にはAI、脱炭素、半導体、燃料電池、医療などに取り組む小規模なスタートアップ企業はたくさんあります。経産省は、それらが十分に成長できない原因の一つとして、大企業の下請けとなっている点を挙げています。そこで、不利な契約にならないよう、標準的な契約書の仕様をつくり、人員が少ない企業の法務の負担を軽くし、大企業と交渉がやりやすくなるよう無料で公開するなど、アシストしています。
世界のユニコーン企業と比べると、日本のユニコーン企業は7社(2024)しかなく、米国の656社、中国の168社との差はまだまだです。新技術を生かした日本経済の成長の担い手となることを目途に、大企業との連携を促すオープンイノベーションを柱にした「スタートアップ育成5か年計画」(2022)を策定されています。国内の資金調達額も8,000億円を超え、この10年で10倍近くになっています。
経産省は、大企業が先端的な技術を持つ取引先を見つけ、最初の顧客として商品やサービスを導入する「ベンチャークライアントモデル」と呼ばれる手法にも注目しています。 例えば、ドイツの大手自動車会社であるBMWは優れたスタートアップの試作品を支援して製品化をめざす取り組みをスタート、日本でも企業を発掘して商品提供を促す仕組みを構築しています。また、5か年計画の下、投資家がスタートアップに投資した際に税優遇を受けられる「エンジェル税制」といった政策も進められています。