校長ブログ
小学校でも生成AI活用
2024.07.24
EdTech教育
7月24日
小学校でも生成AIを活用する動きが広がっています。グローバル化が進展し、AIが社会に浸透する中、早い段階から安全に使うためのツールを身につけることがねらい。また、個人情報が流出するリスク回避もあります。
生成AIを取り上げる理由は、児童にとって家庭や社会でAIに触れる機会が増えた今、その仕組みについてある一定レベルの知識がないと取り返しのつかないことがあり得るからです。小6で生成AIについて学ぶことが多いようですが、情報全般についての理解は低学年から深めていく必要性を感じていると言われています。
チャットGPTを開発したオープンAIは13歳未満の使用を禁止し、18歳未満は保護者の同意が必要とされています。ユネスコ(国連教育科学文化機関)も教室での使用は13歳からとし、教員研修の必要性を強調しています。誤りや危険な情報を鵜呑みにしたり、個人情報などAIに学習させるべきではないことを入力したりする可能性があるからです。
文科省は、生成AIについて利用規約に基づいて使うよう求めるとのこと。小学校での利用について教員が使って見せることで教材とする分には問題ないとしています。また、児童の利用も禁止はしないものの、予めAIの性質を学んでから使うよう注意してほしいとしています。昨年7月に、小中高での生成AIの扱い方に関する指針を作成し、リスクに対応できる準備が整った学校から活用するとしました。今年になって、パイロット校を66校指定し、そのうち小学校は25校となっています。
『小学生白書2023』(学研教育総合研究所、23年10〜11月、対象は1200組の小学生と保護者)の調査によると、小学生の9.8%が学校で生成AIを使ったことがあり、家庭での利用は12.5%。一般的な教科の授業で使う学校も出てきており、国語の授業で、生成AIに作らせた俳句を示し、批判的に読み解き、よりよい創作を模索させたり、慣用的な表現はAIが意図を正確に読み取れないことを学ばせるなどの工夫が見られます。
生成AIを安全に使うための取り組みとして、入力した内容をAIに学習されないように、情報教育を推進するNPOがオープンAIの技術を利用して開発したデジタルツールを使う小学校もあります。大切なのは、子どもが自由な発想で使えるようになり、それが学びが深まることに他ならないのです。