校長ブログ

AIの使い方

2024.07.11 EdTech教育
7月11日 

 エストニアは、IT先進国と位置づけられ、教育にもデジタル技術を積極的に活用しています。クリスティーナ・カラス教育研究相は、学校へのデジタルの機器や教材の定着については、教員の自律性と教育内容の質の高さに支えられていると述べられています。コロナ禍以前からデジタル活用能力を重視し、研修体制も整えていたとのこと。また、教員になるには高度専門職として修士号が必須であり、デジタル教材の使い方を含め、授業研究について自律的な判断ができるので、コロナ禍のような危難にも対応できるとしています。

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 学校でのAI活用について、子どもたちは日常の中でAIを使っているため、それを禁止するのではなく、AIの偏りや誤りに対応できる分析力や批判的思考力を養うことを大切にしています。そして、AIはあくまでも教員のアシスタントに過ぎず、活用を通して、個別最適な学びに直結させることが重要としているところが日本の学習指導要領との共通点です。エストニアには移民や発達障害児など、多様な子どもが多く、それに対応する取り組みを展開しながら、教員の負担減に寄与すべく、情報の一元化によるエビデンスの見える化を現実化させているのは現代の教育を反映したものになっています。

 エストニアがAIを積極的に活用するのは、常に新たな技術を受け入れようとする前向きな国民性が背景にあるとのこと。誰も取り残されてはならない教育を実践しているエストニアは、国際学力テストでもトップクラス。9年生と12年生で全国的な試験があるため、教員が達成すべき基準は明確化されています。今年、教育研究省は専門家評議会を立ち上げ、AIの利用に関して議論を進め、9月からは実証実験も始めるようです。子供の成長に向けた真摯な取り組みはどの国も同じです。