校長ブログ
ミネルバ大学の日本進出
2024.06.20
大学進学研究
6月20日
ミネルバ大学(米)と言えば、約100カ国の学生が世界を移動しながら学ぶユニークな大学ですが、東京を訪問地に加え、日本に進出するそうです。来年の秋から様々な国の学生が150〜200名来日し、約1年間学ぶとのこと。
学長のマイク・マギー学長は、日本固有の歴史や文化、科学技術など、学べることが多く、東京が世界で最も活動的な都市の一つでもあること、そして、日本財団の強力な支援が得られたことを理由に挙げています。
同大学の強みは、オンラインで知識を習得し、現地では企業や団体とのパートナーシップを組み、課題解決型学習(PBL)に取り組むところ。日本では、広島、長崎、沖縄を訪ねることも視野に入れているとか。日本を拠点にして、サステナビリティー(持続可能性)分野の起業家を育てるプログラムも構想されています。
訪問地は、サンフランシスコ、東京を含む4都市をコア都市とし、それぞれ約1年間滞在、他はオプションとするものの、日本国内の連携先とは強い関係を築きたいと述べられています。
汎用的能力を伸ばすカリキュラムに関心を持ったという松下佳代氏(京都大学教授)は、相関関係と因果関係を区別する、文脈や相手にあわせて表現の仕方を変えるなど、『知の習慣と基本的概念』(HCs)と呼ぶ約80の要素に具体化している点、専門知識・スキルとあわせてHCsを卒業まで評価される点、滞在都市でのプロジェクトや多国籍の学生による寮生活と組み合わせたハイブリッド学習になっている点に着目されています。
ミネルバ大には大学教育の革命児のようなイメージがありますが、今回の進出は日本財団が10年間で約80億円の支援を予定し、学生が滞在する寮の確保などで協力、日本の大学への波及効果を期待しているようです。「学びの保障」に向けて、あらゆる教育機関が工夫を凝らしているのです。