校長ブログ
指定管理者制度
2024.06.01
トレンド情報
6月1日
図書館や公民館など、公共施設の運営に民間の知恵を活用する指定管理者制度の導入が進められています。2022年の導入率を見ると、全国の市区町村平均の34.8%に対し、関西全体で41.0%。神戸市は91.8%であり、奈良県香芝市の94.6%に次ぐ関西2位、全国8位となっています。
神戸市は2010年、市営住宅の維持管理に指定管理者制度を導入。結果、対象施設が増加し、導入率は9割を超えて推移しています。指定管理者制度の強みは民間のノウハウやアイデアを活かし、官民連携を通じた役割分担が可能になることです。コスト面やサービス面でのメリットも期待できます。
例えば、こべっこあそびひろば・西神中央。開業したのは昨年の5月であり、親子が集える遊び場として神戸YMCA福祉会が指定管理者となっています。市内2カ所にある「こべっこあそびひろば」も社会福祉法人や民間企業が運営する方向です。
すでに導入した施設でもリニューアルを契機に指定管理者を入れ替えることがあります。須磨海づり公園は、新装開業後は山陽電気鉄道と尼崎市立魚つり公園を運営するハウスビルシステムの共同事業体が指定管理者となりました。須磨海づり公園は、かつて釣り人ばかりが利用していましたが、海岸のにぎわい創出に向けて新たに事業者を募集し、山陽電鉄の事業体を選んでいます。そして、レストランや砂浜のビーチを見ながらくつろげる広場に整備しています。
大阪市は関西3位、全国9位ですが、対象施設が500件近く増えたそうです。3割なかった導入率が9割にまで高まったのは、市営住宅への制度導入が進んだからとのこと。大阪城公園は電通や大和ハウス工業などの共同事業体が20年間、管理を担っています。コンビニエンスストアやクールジャパンパーク大阪の開設などは指定管理者制度の導入によるものです。
導入率85.2%、関西4位である大阪府阪南市は、指定管理者制度を導入して以降、すべての住民センターを自治体に運営を委ね、3カ所の公民館はNPO法人などが指定管理者となっています。NPO法人が公民館で子育て支援などを展開すれば、利用者が集まり、より一層、にぎわいが生まれると関係者は見込んでいます。
指定管理者制度は市町村だけではありません。大阪府はすでに18の直営公園に導入し、3公園で20年間運営を委ねて新施設の整備も可能な「PMO型」を展開しています。3公園のうち、地元事業者が中心になって管理を行う「二色の浜公園」ではレストハウス内にカフェを開業したとか。今後、グランピング施設なども順次、整備し隣接する海水浴場と一体的な運営を通じて年間100万人の来場者をめざすそうです。教育現場でも産官学の協働が進められていますが、様々な領域で似た事例が散見されるのです。