校長ブログ
不登校の原因
2024.05.14
学校生活
5月14日
全国的に不登校の児童・生徒が増加しています。文科省によれば、2022年度は小中学校で209,048人と前年度より2割増加。同省は、全国の公立小中学校の空き教室を利用して不登校の児童生徒を支援する「校内教育支援センター」を6割増やし、カリキュラムなどで柔軟な対応を認める「学びの多様化学校」(不登校特例校)の設置も促し、スクールカウンセラーやICTなどを活用した支援を広げていく方向性を打ち出しています。
同省の委託調査によれば、不登校になった原因について、児童・生徒、保護者、教員で認識にずれが生じているとのこと。児童・生徒がいじめ被害や教職員からの叱責と回答した割合は教員の6〜8倍あり、子どもの事情を学校側が十分に把握できていない実態が浮き彫りとなっています。
発達科学研究所の調査(2023年7〜8月、対象は大阪府吹田市、広島県府中市、宮崎県延岡市、山梨県で22年度の小3〜高1と保護者、担任教員)によれば、不登校として報告された児童生徒239人について、不登校の原因を複数回答で聞いたところ、教員はいじめ被害、教職員への反抗・反発、教職員からの叱責との回答が2〜4%だったのに対し、児童生徒と保護者は16〜44%であり、大きな開きがあったようです。
児童・生徒と保護者の6〜7割が体調不良、不安・抑うつといった心身の不調を要因としていますが、教員は2割弱にとどまっています。なお、学業不振や宿題ができていないなど、勉学面では3者の回答が近くなっています。
同省によれば、不登校の理由として無気力・不安が半数以上を占めていたものの、児童・生徒にヒアリングをすると、いじめ被害、環境の変化、家庭不和など、様々な回答があり、いじめやトラブルなどのきっかけがない場合に、学校が無気力・不安と回答しやすい可能性があると指摘されています。客観的に見て、教員がすべてを把握するには限界があり、1人1台端末を活用して健康観察するなどの工夫を通し、早期対応を試みる必要性あるとも言及されています。