校長ブログ
介護人材育成ー自治体の努力
2024.05.17
トレンド情報
5月17日
関西の自治体がそれぞれ人手不足解消と人材育成に向けて様々な取り組みを行っています。神戸市は外国人留学生を積極的に受け入れ、和歌山県は介護業界を担う高校生の講習費用を全額補助、大阪府は介護の魅力発信を進めています。
神戸では産官学が連携して「神戸モデル」を2022年からスタート。これは専門知識を持つ留学生を受け入れ、日本語や日本文化、介護に関わる実習を積んだ後、市内の介護事業所を紹介するプロジェクト。留学生のメリットは、航空券代や保証金の負担がなく、語学や介護実習の授業料や寮費も無料で生活費も支給されるという点です。
神戸市は、介護人材が不足する中、産官学連携で留学生を受け入れており、就職後も働きながら国家資格である介護福祉士に向けた勉強を続け、永住権を取得して日本への定住も可能にしています。市内にはすでに神戸モデル修了生が働いており、活躍されているそうです。
和歌山県は、高校生を対象にして介護の基礎的なスキルや知識を身につける「介護職員初任者研修課程」の費用を全額補助しています。研修時間は130時間、通常なら6万~9万円程度の費用を県が負担しているとのこと。この取り組みは2015年からから実施されており、毎年約100人が利用しているそうです。受講時期は、土日や夏などの長期休暇であり、約3割が高校卒業後に介護業界に就職しているようですので費用対効果が見てとれます。
「介護労働実態調査」(介護労働安定センター)によると、介護職員が「大いに不足」「不足」「やや不足」と答えた施設は県では6割近くあり、これは徳島県と並んで5番目に低いものだったとのこと。しかし、今では人口あたりの介護職員数が全国平均よりも多く、介護福祉士を養成する専門学校の定員に対する生徒の充足率も7~9割程度と高水準で推移しています。
大阪府は「大阪府介護・福祉人材確保戦略2023」で、将来の介護人材を確保するために教育と連携することを重点項目の一つに挙げており、高校生に向けて介護業界の魅力を発信する取り組みを推進しています。介護職経験のある人気お笑い芸人に高校生がインタビューしたり、Z世代の介護職員にやりがいやモチベーションを聞く動画を作成するなどを実践しているのです。