校長ブログ

教え子との対話-英語教育編③

2024.05.08 グローバル教育
5月8日

 6日、7日の続きです。

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校長:誤答分析と言えば、首尾一貫したもの、言語間の違いによるものなど、様々な状況があるよ。

O:確かに...もう少しお願いします。

校長:首尾一貫したものとは、誤りを訂正されても適切に修正できない場合、また、誤りを修正してもまた同じ誤りを繰り返してしまう場合のこと。生徒は自分なりの体系を作ってしまうため、指導されてもすぐには修正しにくいものなんだね。

O:覚えがあります。

校長:言語間の違いによるものとは、母語の干渉が最たるもので、文法力の裏返しとも言えるね。でも日頃から目標言語に接する機会が少ないために生じるものが大半を占めるよ。

O:不規則動詞を規則動詞と取り違える、語法を類似するものに置き換える、母語の干渉によって不適切な言い方にしてしまう、適切な語彙を知らずに別の表現法に言い換えてしまうなどですね。

校長:そうそう。目標言語でも母語でもない生徒が使う言語は、両者の中間に位置するという意味で、中間言語と位置づけられているよ。目標言語を修得は発達段階と多くの類似性があり、生来的なものであることを肝に命じて指導にあたることが重要だね。

O:ごもっともです。

校長:新学習指導要領には、「授業は英語で」が標榜されているね。コミュニケーション・ツールとして英語を指導する場合、生徒が英語を使える環境を提供するのが授業者の責務だけど、だからといって英語しか使ってはいけないということではないよ。

O:大切なのはバランスということですね。

校長:そう。トランスランゲージングと呼ばれる指導法があることを知っている?

O:確か2つの言語を交互に切り替えながら、それぞれを効果的に用いることではないですか?

校長:そう。英語学習において、母語リソースを自主的に活用する、日本語を部分的に使うことも尊重すべきティーチング・メソッドだということを肝に命じておいてもらいたいな。

O:はい。本当に勉強になります。ありがとうございました。引き続き、よろしくお願いします。