校長ブログ
100回目の創立記念日-メモリアルイヤー
2024.05.09
学校生活
5月9日
今日は記念すべき100回目の創立記念日です。1924年、山手尋常小学校の一部を借りて山手学習院として開校したのが本校の歴史の第一頁。小学校が不足する時代、将来を担う若い子供たちに教育の機会を与えようと尽力された山手尋常小学校の杉野精造校長はじめ、多くの方々からご支援をいただき、本校が誕生するに至ったのです。当時の授業はこうべ小学校のあるところで行われていたそうです。南門付近には「山手小学校発祥の地」という石碑があります。以来、学校は歴史を刻み、2020年4月、濱名学院と法人合併、濱名山手学院として生まれ変わり、幼児教育から中高、専門学校、大学、大学院を擁する総合学園に発展しました。
杉野校長の思いが込められているという建学の精神の一つである「自学自習」は、タイム・マネジメント・シートを作り、リフレクションアワーで担任や教科担当のコーチングを経て、EdTech等を駆使して自己調整しながら個別最適な学びに向けたPDCAサイクルという独自の学習スタイルとなって脈々と受け継がれています。また、教員はシラバスを公開し、毎時間「学習の目標」を明示、定期考査・模試分析会を通じて改善策を打ち出すだけでなく、研究授業やシンポジウムを開催、授業改善を試み、さらに、学校評価や授業満足度調査を通じて、自己研鑽に励まれています。これらは文科省が推奨する「誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学び」に直結するのと同時に、ICT技術を基盤とした先端技術や教育ビッグデータの効果的な活用によって生徒の力を最大限に引き出すことも可能にし、DX化に対応するものとなっています。
もう一つの建学の精神である「情操陶冶」は非認知能力の育成と言い換えられます。本校では、グローバル化に対応すべく、「未来型グローバルリーダーシップの女性育成」に向けて、コース、学年ごとに年間の大テーマと小テーマを設定し、個別最適な学びから協働的な学びにつながる様々な活動を通じて、グローバル社会にたくましく生きていけるコンピテンシーが身につく教育を実践しています。これは、学院の教育ミッションとしての価値基準である3C(Communication、Consideration、Commitment)に直結し、「『他者を尊重しつつ、主体的・能動的に自らの人生を切り拓く』ことができる人間を世界に送り出すこと」に相通じるものです。
大学進学が大半を占める今、授業では、問いを立て、協働的学びを通じて最適解を求める探究学習、AI教材による個別最適な学び、日本人とネイティブ教育の担任2人制、英語と他教科を組み合わせたイマージョン教育、関西国際大学との連携教育など、時代の先端を行く指導を実践しています。授業が終われば、受験対策を見据えて校内予備校に参加する生徒、全国大会常連の陸上競技部をはじめ、卓球、吹奏楽、マンドリンギター、アーチェリー、広報、eスポーツを併設するデータサイエンスなど、23あるクラブに参加する生徒、課外講座である華道嵯峨御流、茶道裏千家流、バイオリンアンサンブルに参加する生徒など、興味・関心の対象は多様化し、「学びの選択」を通じて、生徒個々の可能性を拡げています。
施設・設備も充実し、食堂にあたるスカイルーム、英語コミュニケーションの場として、また、海外ルーツを持つ生徒のための日本語指導も行われているEnglish/Japanese Room、明るい色調が特徴であり、可動式の机と大きなモニターがあるICT教室、パソコン40台が設置され、1人1台の使用が可能なコンピューター教室、充実した設備の理科実験室、試食室があり、ピカピカで雰囲気抜群の調理室、個別ブース形式で夜8時まで開放されている自習室、個別最適化されたKOKOROOM(学習支援室)等、時代に合った環境が整えられています。卒業生は2万人を数え、それぞれが社会の一翼を担っています。
2021年には未来探究コース、2023年にはグローバル選抜探究コースを中学校及び高等学校に新設、同年6月、育友会の支援により第2体育館の改修が行われました。2025年に4月からは一部のコースを共学化し、校名も『神戸山手グローバル中学校高等学校』に変更、1世紀に亘る歴史と伝統を受け継ぎながら未来の扉を開こうとしています。