校長ブログ

アプリ多言語

2024.04.29 グローバル教育
4月29

 センサータワー(米)が国内企業のアプリ50個を調べたところ、日本語以外でも使える設定となっているものは3割に相当する15個だったそうです。アプリと言えば、楽天市場、メルカリ、d払い、auPAY、セブンイレブン、ユニクロなどが想起されますが、これらは大半が日本語話者のため、不便を感じる外国人が多いのが実態です。来日した海外人材が生活面でも不便なく暮らし、言語の壁を減らす工夫が求められているのです。

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 国内企業が提供するアプリは、近年、外国語への対応が進んでいます。例えば、カミナシ(東京)は、業務管理アプリの多言語対応を始め、キャッシュレス決済のPayPayは英語に適したデザインになるよう工夫しているとか...。

 約300人いる従業員のうち、ベトナム人を中心として約4割が外国人であるコンビニ向けの総菜を作るフジフーズ工場は、これまでの伝達手段は通訳や日本語が上手な外国人でした。カミナシの業務機器管理アプリを導入したため、自動翻訳でベトナム語にも対応できるようになり、日常の器材の確認作業も1人でできるようになったそうです。ベトナム語で書いた紙のチェックリストを使い、管理が煩雑だったときと比べると、仕事の幅が広がり、業務の効率化という点で格段の進歩を遂げているのです。

 カミナシは、簡単にカスタマイズできるだけでなく、翻訳サービスウォーブンテクノロジーズの仕組みを取り入れ、英語、中国語など9言語に対応、現在、食品・水産加工、ホテル業など約70社が利用しています。ウォーブンテクノロジーズは、翻訳の省力化と正確性の確立に向けて、機械翻訳をベースにした管理システムを提供し、専門用語の翻訳や内容を更新する際の漏れを確認しやすくし、企業の負担を減らす貢献をしています。

 国内で暮らす在留外国人は約322万人(2023)であり、5年間で59万人(22%)増加しています。少子化が進む日本経済を支える働き手として期待されているものの、日本語での読み書きとなると難しい人も少なくないのが現状です。

 グーグル、アマゾン・ドット・コム、フェイスブックといった米国企業は、既に世界中で現地の言語に対応したアプリを提供しています。例えば、日本で暮らすフランス人が電子商取引を使う場合、フランス向けアプリを提供するアマゾンなら日本版でもフランス語への変更は容易ですが、それに比べ、日本企業のアプリは多言語対応が遅れています。

 キャッシュレス決済アプリのPayPay(ペイペイ)は、英語での利用が可能であるため、アクセシビリティーが向上、英語ユーザーも含め、利用者は6,000万人以上となり、履歴や設定、クーポンなど、様々な機能を果たすだけでなく、外国人のエンジニア採用につながっています。最近では、長くてわかりにくい表現も簡略化したり、新機能が加わっても英語版に適した翻訳、デザインになるよう工夫しています。

 今後、来日する外国人は増加することが見込まれており、有用なコミュニケーション手段となることは間違いありません。