校長ブログ

同時通訳イヤホン

2024.04.01 グローバル教育
4月1日

 本校では、日本語に慣れていない海外ルーツの生徒たちのために、同時通訳イヤホンの使用を認めています。(購入は任意)

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 実際、生徒の日本語力は卒業生の日本語ボランティア講座というバックアップもあり、みるみるうちに上達しています。英語、国語などの文系教科や実技教科はイヤホンなしで授業に参加できるようになるだけでなく、「学びの保障」につながる効果が見られるようになってきました。しかし、理系教科で用語を駆使する場合などでは、イヤホンの様々なメリットが見受けられます。

 生徒たちは、日常生活の中、自然体で日本語に習熟していきますが、イヤホンを使って難しい用語を母国語で理解でき、学習効率を上げているのもまた事実。また、コミュニケーションがスムーズになり、新学習指導要領で謳われる「思考、判断、表現」できるようになっていることも特記事項です。

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 しかし、イヤホンには、技術的な問題が発生するというデメリットもあります。例えば、機器の故障などがあると、コミュニケーションが中断してしまいます。また、翻訳の精度という問題もあります。さらに、直接的なコミュニケーションでないため、関係構築という課題もあります。本校にはICT教育推進センターを設置しており、日々、その精度を高める取り組みを行っています。

 イヤホンが有益なツールであることは疑う余地がなく、言語の壁を乗り越え、効果的なコミュニケーションを促進してくれている以上、要はバランスが大切。指導事例としては、留学生がプレゼンテーションを行う際、イヤホンを駆使して相手の発表を母国語で理解したりすることが挙げられます。これにより、発表者はより自信を持ってプレゼンをすることができ、円滑な交流に寄与しています。

 授業でイヤホンを使用すれば、内容を母国語で理解することができるので、授業に積極的に参加し、学習効果を高めることが期待できます。さらに、円滑にコミュニケーションを図りながら、多文化共生理解を促進し、教育の質を向上させる一助となっているのです。