校長ブログ

海外大学への進学

2024.03.06 グローバル教育
3月6日

 近年、高校卒業後の進路として、海外大学を志望する生徒が増えてきました。語学力を高めるだけでなく、多様性に触れて価値観を広げるためです。しかし、海外大学に進学する場合、国内大学に比べると費用が高くなるのが実情です。

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 文科省によると、大学など高等教育機関への日本人長期留学者数は約62,000人(2019)となり、現在の統計形式になった13年と比べると11%増加しています。コロナ禍では約4万人に減りましたが、帰国子女だけでなく、日本で生まれ育った高校生が海外大学に進学する割合が多くなったことは事実です。ちなみに、留学先の最多は米国、次いで中国、台湾、英国、オーストラリアと続きます。

 費用面では、米国の大学の年間の学費は120万840万程度、生活費などが70万〜150万程度。名門と言われる私大はさらに高くなり、コロンビア大の年間の学費は980万、寮費などが240万で計1,220万。エール大やハーバード大も1,000万を超えます。州立大学になると、私立より安くなり、授業料は平均680万、寮費などは240万で計920万となります。

 英国やオーストラリアは、米国ほど高くはありません。英国の年間の学費は360万~570万、滞在費は90万120万、台湾がそれぞれ35万70万、30万45万となっています。

 保護者の立場に立てば、早めの貯蓄が不可欠です。外貨の積立定期預金が考えられますが、円安になった場合、外貨換算の金額が目減りを避けられるだけでなく、円預金に比べて金利が高くなります。「グローバルパス」(SMBC信託銀行プレスティア)というキャッシュカードは、「Visa」または「PLUS」マークの付いたATMなら現地通貨を引き出せます。また、親名義の口座でも、家族カードを発行すれば子どもが海外で利用できます。ソニー銀行もほぼ同様のサービスを提供しています。

 海外大学への進学者が対象とした日本学生支援機構の学士号が取得できる給付型奨学金もあります。月額12万32万円、期間は4年間となっています。例えば、福岡県は保護者の所得に応じ、年最大200万円までを最長4年支給しています。

 費用を抑えるには、米国なら2年制のコミュニティーカレッジという選択肢も考えられます。ここでは最初の2年間でよい成績を修めれば、3年次から大学に編入できるチャンスがあります。また、単位互換制度を利用してそれぞれの学位を取得できるダブルディグリープログラム、台湾やマレーシアの大学で1〜2年学び、その後、英語圏などの提携先に留学できるところもあります。制度や費用はケース・バイ・ケースですが、様々な選択肢があることをおさえておきたいものです。