校長ブログ
デジタル介護
2024.03.02
トレンド情報
3月2日
これまでの介護と言えば、ベテラン職員の経験値や勘に頼りがちでしたが、近年は、自動的に体を動かし、床ずれを防ぐマットレス、浴槽に入るだけで微細な泡が身体の汚れを落とす装置等々、様々な機器による科学的な手法が用いられるようになってきました。
テクノロジーの進歩は、職員の負担を軽減し、仕事の効率を上げるだけでなく、介護サービスの質を高めています。例えば、介護記録の作成のような業務を支援し、作業時間を短縮、その分、高齢者に接する時間を増やすといった具合です。
最近では、センサーなどのデジタル機器を介護に取り組む高齢者施設も出てきています。例えば、定員300人規模のサンタフェガーデンヒルズ(社会福祉法人善光会)には、特別養護老人ホームや老人保健施設などがあり、デジタル機器によって高齢者の見守りが行われています。
ベッドの下には睡眠センサーが取り付けられ、呼吸や心拍などから睡眠の状態を計測。センサーは、身体に付けていないので、寝ていても機器の存在は感じることはありません。スタッフは、パソコンやスマートフォンで入居者の状態を確認でき、端末には通知も届くため、部屋に入らなくても対応できる様になっています。
また、360度カメラは、転倒したり、転落したときは1分以内に自動録画し、職員のスマホに画像をつけて通知します。従来なら転倒の原因は推測するしかありませんでしたが、今では動画を確認し、再発防止につながる行動認識センサーが機能しているというわけです。
スマホからは室内の音声を送ることができるので、どこにいてもすぐに声かけができます。プライバシーにも配慮され、画像が送られてくるのは注意行動があったとき、または、コールボタンを押したときだけであり、室内の映像と音が職員のスマホにつながるようになっています。
約470の高齢者施設を有するSOMPOケアは、データ分析を通じて、介護の質を高めています。同社の老人ホーム「そんぽの家成城南」では、職員がモバイル端末にケアの記録を入力し、データを分析して、介護の改善策を提案するとか...。さらに、介護の温度差を解消するために、ケアの種類別に設定した標準時間に対し、実際に要した時間を職員ごとに照合、データに基づいて入居者の心身の状態をチェックし、ケアの質を調整されています。経験値や勘が頼りだった介護現場に、科学的な手法が組み込まれ、ICT化が進められているのです。