校長ブログ

離島こそ最先端技術

2024.03.23 EdTech教育
3月23日

 今、離島が次世代モデルを生み出す最先端スポットになっているそうです。地理的に見れば、都心部から遠くにあるため、過疎化していくと思われがちですが、最新のデジタル技術を活用して可能性を広げているとのこと。最近では、起業家も集まり、経済の活性化はじめ、様々な課題に取り組み、地域再生に貢献されているのです。

DSC06079.JPG

 例えば、新潟県の佐渡。東京のITコンサルティングであるミラクリーブが民家を改修してオフィスを開き、全国から様々な職歴の若者を集め、エンジニアを育てています。人口減少や空き家問題などがある同市に対し、ITで地域課題を解決できる人材を育成するのが目途とか...。

 佐渡島と言えば、トキをはじめ、多様性に富んだ生物が集まる自然豊かなところ。また、金山などの伝統文化もあります。市の補助制度を利用して、佐渡に進出した企業はIT関連を中心に増加し、今や、シェアオフィスの整備も進み、受け入れ体制も整いつつあるようです。

  市は、 大阪市にある高速バスのWILLER(ウィラー)と連携して自動運転バスの実証実験をスタート、地域全体の利便性アップに向けて、観光ツアーや島民の荷物を載せる貨客混載にも取り組んでいます。

 結果、移住者数は600人と年々増加するだけでなく、UターンとIターンが約6割を占めるなど、人が集まり始めているそうです。創業・企業誘致を支援するNEXT佐渡は『起業成功率ナンバーワン』の島をめざすとのことですが、ポイントとなるのが対象を誰にし、どのような環境の下で何をするかという目的を明確にしたストーリー性であるのがわかります。

 教育現場では、鹿児島の徳之島町にある花徳小学校が学びの保証に向けて、遠隔合同授業「徳之島型モデル」を取り入れています。教室の正面にモニターを置き、教師は画面の中。児童とのやりとりはすべてモニターを通じて行われます。3キロ近く離れた島内の小学校とネットでつなぎ、先方の教師が両校の6年生14人を指導する日もあるそうです。   

 元々、児童数が少ない徳之島町は9年前からこうした遠隔合同授業に取り組み、今や町内の小学校5校で実施しているとのこと。背景にあるのは少子化と教員スタッフ確保の難しさ。ネットで学校を結べば、授業の質を担保できるだけでなく、子どもたちの交流も広がるというメリットもあります。「徳之島型モデル」として注目され、児童数の減少に悩む全国の地域から視察に来ているそうです。

 最近では、メタバース(仮想空間)を使って道徳の遠隔授業を行っています。複数のチャットルームを作り、児童は気に入ったルームに参加、複数の学校の児童が教室内のグループ活動のように自分の意見を伝えあうという教育活動を実践しています。今年は、タブレット端末にAIを活用した学習支援アプリを入れて、個々の進度に応じた個別最適な学びを展開するそうです。

 メタバースと言えば、瀬戸内海にある高松市の男木島。学びの保証と島の活性化に向けて、アイデアコンテストが開催され、通信制のN高校・S高校の高松キャンパスの生徒が、メタバースの活用法を発表し合っています。島をモデルにメタバース技術の展開を目指すNTT西日本は、観光開発などへの応用も進め、収益をもたらし、その資金を再投資するモデルをめざしているそうです。