校長ブログ

社会問題を考える-少子化対策

2024.02.27 トレンド情報
2月27日

 少子化対策に向けて、「こども未来戦略」がスタートします。合計特殊出生率が人口置換水準を下回り始めて50年目にあたる今年、具体策となる「加速化プラン」には年間3.6兆円が投入されるとのこと...

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 振り返れば、最初の少子化対策「エンゼルプラン」ができてから30年目。これまでも様々な計画や法律が施行されてきましたが、少子化に歯止めをかけることはできませんでした。現実的には、半世紀にも亘る潮目を変え、これまでの対策不足を3年で取り戻すのは容易なことではなく、cancouldにするには、さらなる戦略と工夫が必要なことは想像がつくところです。

 辻本浩子氏(日経新聞論説委員)は、親世代が減少している以上、これがラストチャンスと言われています。そして、ゆとりのある高齢者に医療や介護の負担を求めることも含む歳出改革、既定の予算活用、さらに、医療保険で集める支援金で財源を確保するという方向性に対し、もっとわかりやすい説明が不可欠としています。

 続いて、少子化に至る構造問題を深掘りし、児童手当や子育てサービスの拡充、多子世帯への大学教育の無償化を重要性を言及しています。「共働き・共育ての推進」に向けては、ワンオペ育児(校長ブログ2023.12.8)をなくし、男女がともに育休を取った場合、給付金を10割にすること、短時間勤務への給付金を創設することなどについて、形式的にならないようにと警笛を鳴らしています。

 男性の育児が停滞しているのは、長時間労働や「男性は仕事、女性は家庭」という社会規範が少子化の要因になっていることも指摘。そして、子育て世帯への支援にとどまらず、全体を変えていくために、非正規などの若者への支援にも目を向け、 進捗状況を測る指標の設定と見直しが重要だと述べられています。

 効率よい働き方による労働生産性の向上、男性の家事・育児、男女均等度など、スウェーデンのような先進国に並んではじめて、少子化の突破口になるのです。