校長ブログ
無人タクシー
2024.02.02
トレンド情報
2月2日
カリフォルニア州にあるゼネラル・モーターズ(GM)傘下で自動運転技術を手掛ける企業クルーズの無人タクシーが営業停止になりました。原因は、昨年10月に発生した人身事故。会社は自動運転を他の州でも止めました。安全性や雇用を巡っては世論が別れています。
無人タクシーのサービスが始まったのが2022年。特定範囲内を完全な自動運転で走り、ピークとなる時間帯には約500台が走行していました。しかし、今や、仕事をなくした車両で溢れているそうです。
その発端が昨年10月2日、別の車がはねた歩行中の女性が無人タクシーの前方に飛ばされ、急ブレーキが間に合わずに歩行者を再度ひいたといういたたましい事故。回避困難なレアケースと言われています。問題視されたのは、クルーズの車両が接触後に路肩へ移動しようと女性を6メートル引きずったこと、そして、事故直後に映像を提供しなかったことです。
クルーズの160万キロのデータでは、人間の運転より衝突事故が5割以上、負傷リスクのある衝突は7割少ないとされており、無人運転の走行実績は約800万キロメートルに上り、死亡事故はありません。
米国では年間4万人が交通事故で亡くなっています。サンフランシスコ消防局によると、自動運転車が立ち往生するなどが約600件、進路妨害などが約50件あり、市警察・消防は、そのような事案に対し、自動運転の反対の意を表しています。
無人タクシーは州が推進しました。州の公益事業委員会は、有料サービスとして終日提供できるようにしましたが、市は差し止めや再審理への申し立てをしてきた背景があります。
企業でも経営側と運転手で見解が異なります。推進派は社内に自動運転の開発部門を設置したり、他社と提携して一部の地域で無人タクシーを取り入れています。全米自動車協会が実施した調査では、車を運転する人の68%が完全自動運転車について不安と答えています。ドライバーは反対派が大多数。AIを使った配車システムで仕事を増やした運転手も、AIが運転そのものを担うことへの警戒は強いそうです。実際に乗車すると無人タクシーへの信頼度が約2倍になるとの調査がありますが、いずれにせよ、サービスの品質を高め、安全性の向上がすべてと言えます。