校長ブログ

消齢化

2024.02.12 トレンド情報
2月12日

 これまで、肉料理と言えば、若者といったイメージがありましたが、最近ではこうした価値観がなくなろうとしています。若者が熱中する「推し活」も同様。人口減に伴い、世代を超えて、消費者マインドをつかむことが求められていくことは言うまでもありません。

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 社会は刻々と変化しており、価値観や嗜好でジェネレーションギャップが小さくなる「消齢化」が指摘されています。(博報堂生活総合研究所)例えば、ハンバーグが好きな人の割合は、約20年前なら20代後半が約61%、60代は約20%ですが、近年では差が約20ポイントになり、10年後にはそらに約7ポイントまで縮まると想定されています。 

 かつては年輪を重ねるとそれに応じてライフステージも変化していました。しかし、消齢化とともに、年齢が一致しなくなってきたのです。25歳で第1子を出産する女性が16%だった1975年に比べ、最近では29歳でも1割に満たず、40代で結婚する人もいれば、出産する人もいます。同研究所によると、990項目のうち、世代間の差が小さくなる項目は147項目あり、差が大きくなる17項目を大きく上回るとのこと。医療技術も発達し、長寿化が進むと高齢者が増加し、消齢化は自然と見られています。

 若者に共感する親世代の大人が増えているようです。長田麻衣氏(SHIBUYA109lab所長)は、アムラー世代やバブル世代の親は流行に敏感であり、親子が友達のように仲がよいと述べられています。2050年代には人口が1億人を切り、デジタルネイティブの世代が中心の時代には、世代間ギャップは小さくなり、老若男女が同じ趣味を楽しむ日が来るのです。

 最近では、同じ趣味の者がつながる界隈(かいわい)消費が色々な分野で生まれているとのこと。応援するアイドルやアニメキャラクターに金や時間を費やす「推し活」では、コロナ禍の巣ごもり生活もあり、SNSで年齢を問わずに交流する人が増えているそうです。例えば、サントリーグループの心身の健康増進を支援する「Beサポーターズ!」は約6000人の高齢者がサッカーJリーグの推しチームを応援するといった具合です。

 企業も反応しています。ローソンはすでに買い物客の性別や年齢を記録するレジのボタンをなくしました。店員の負担軽減だけでなく、消費者の価値観を明確にし、市場を広げようとしていることは明らかです。消齢化はマーケティングに新たな可能性をもたらすのです。