校長ブログ
未来の行程表
2024.01.31
トレンド情報
1月31日
ベンチャー投資の成功率は0.3%、自らが起業して成功する確率はそれ以下と言われています。前多俊宏氏(エムティーアイ社長)は、中高生の頃から起業家を志し、スマートフォン向けコンテンツ開発を手掛け、若くして夢を実現させた人物です。ただし、会社を発展させていく過程でITバブル崩壊の危機にも立ち向かうなど、ご苦労は絶えなかったようです。
会社は携帯電話の販売で急成長し、創業3年目で株式公開を果たしたものの、コンテンツ開発の事業が軌道に乗せられません。だだし、負債が膨らみ、銀行から返済を迫られても開き直りにも似た心境だったというところが常人とは違います。
携帯電話が広がったのは1990年代ですが、同氏は、携帯電話が将来、社会変革のロードマップなると考えたそうです。しかし、現実は厳しく、携帯電話のコンテンツで稼ぐのは簡単ではないことを実感。克服に向けて、他の通信会社からの仕事も受注し、一丸となって開発に打ち込み、10年近く立ってやっとコンテンツ事業が黒字化したと述懐されています。(日経2023.11.20)
そして、事業体制を見直し、コンテンツ課金や顧客ID管理の仕組みを作り、経営資源をスマホ向けに集中することを英断します。社内の合意形成がなかなかとれなかった時、説得材料にしたのがご自身が思い描いた未来の行程表。これが原動力となり、10年後から逆算し、今、すべき点を挙げ、方向性を一つにして努力、軌道に乗せることに成功します。
現在は、ヘルスケア分野を力を着目しているとのこと。「決済、健康、娯楽、コミュニケーション」は100年後もなくならないという将来構想の下、黒字化の目処が立っているそうです。どのような環境変化にも対応しながら、たとえ、経営が傾いても事業の収益化に向けて常に冷静沈着に対処することがうまくいく秘訣。ネバーギブアップの姿勢が突破口となるのはどの分野においても共通です。