校長ブログ
芸術文化の振興とビジネス創出
2024.01.09
トレンド情報
1月9日
関西では、芸術文化をまちづくりに生かす自治体が増えています。具体例として、アートや音楽などを通じて賑わいを創出しようとする神戸市や芸術家と経営者をマッチングさせる取り組みを始めた京都市が挙げられます。芸術文化の振興だけでなく、ビジネスを創出する工夫が展開されでいるのです。
神戸市は三宮でライブなどができる公認の会場を設け、「まちなかパフォーマンス」と名付けたアートパフォーマンスができる制度を創るとのこと。アーティストの活動機会を確保するのに加え、街に賑わいを生み出すことを目的として、すでに実証実験を実施しています。
三宮の中心とする2つの会場には、「aco106」や「Bloom Works」など、プロのバンドやパフォーマーが入れ替わり出演。アーティストからも観客からも肯定的な感想が寄せられているとのことです。神戸市は12月以降、アーティストと演奏ができる会場を募集。アーティストはオーディションを経て決定されますが、出演料はなく、会場での投げ銭や物販が収入となっています。
例えば、市内に33台あるストリートピアノ。誰でも自由に弾けるのが特徴です。演奏家からは、欧米のように、街中で音楽を演奏する風景が神戸は似合うという感想が聞これているとのこと。音楽など文化の香りあふれる街になることが期待されます。
一方、京都市は「アート✖️ビジネス」をテーマに芸術家と企業をつなぎ、ビジネスやアートに新たな価値を生み出し、ビジネスにつなげる動きがあります。「芸術家と企業がつながれるハブのような場所」にすることを目標にしたオフィス街にある京都芸術センター内に芸術家とつながることをねらうスタートアップに貸し出すスペースを設けたところ、7社が拠点としています。
また、同市は、文化や芸術を背景に起業を目指す「カルチャープレナー(文化起業家)」の育成にも熱心です。経済誌であるフォーブスジャパンと連携してカルチャープレナーの表彰制度を創設しており、絵画のサブスクリプションサービスを手掛けるCasie(カシエ)の藤本翔氏はじめ3組が特別賞を受賞しています。カルチャープレナーの価値が古都から発信されている事例となっています。