校長ブログ
当事者意識
2023.12.29
カリキュラム・マネジメント
12月29日
全国的に不登校が激増し、深刻な問題が多発する中、指導から支援に軸足を移していくことが課題になっています。つまり、teachからfacilitateすること。厳密に言えば、teachとfacilitateのバランスです。
グローバル化が進み、外国人材が増え、共生社会づくりが標榜される中、学校に求められるのは、個々の自律と多様性を尊重しながら対話で合意形成する教育実践。そのような営みを〝点〟にとどめることなく、〝線〟にすることによって十分な広がりとなる相乗効果が期待できるのです。
大切なのは、何もかもが自由と勘違いするのではなく、学習者自律(learner autonomy)のスピリットを育むこと。しかし、実態として、主体的に行動できる生徒とできない生徒がいるのは言うまでもありません。自己主張を得意としない生徒も安心して過ごせる学校を前提としつつ、二極化を小さくする前向きで地道な取り組みが明日の扉を開くのです。
学習指導要領の改訂に伴い、現場では学校教育改革を余儀なくされています。一例をあげれば、ブラック校則の改廃。しかし、基本的なルールが守れないようでは本末転倒になってしまいます。本当の改革とは、改善の積み重ねであり、ポイントとなるのは、生徒の状況に応じた柔軟な対応。問題の原因が過去の改革にあったのかどうか、見直しがその唯一の方法なのかどうかなどについて、生徒や保護者の話をよく聞きながら進めていくことが説明責任を果たすことになるのです。
誰もが生まれながらにして主体性をもっているにもかかわらず、日本の教育は、理想に近づけるために、とかくとかまい続ける傾向があるのは指摘通り。結果として、自らが積極的に社会を変容しようとする当事者意識を見失いがちです。先のブラック校則の改廃はじめ、定期テストの廃止、個別最適化学習などが広がっていますが、根底にあるのは、主体性重視と支援する姿。
学校選択制によって、学校の特色が明確にするためのスモールステップの積み重ねこそが大輪の花を咲かせるのです。本校においても支援する場面、指導する場面を使い分けながら生徒を導き、引き上げ、確実な成長に結びつけていきたく思います。