校長ブログ

日本の教育事情②

2023.12.23 トレンド情報
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 特別支援教育は小中高で広まっていますが、大学で支援専門を置くところはまだ3割にも満たないそうです。(日本学生支援機構)

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 障害のある学生は10年前と比べると、4倍にあたる約49千人。来年4月には全大学で十分な教育を受けられるよう配慮することが法的義務になっています。

 東京大学のプロジェクトであるプラットフォームPHED(フェッド)は、自治体や企業を巻き込んだ支援ネットワークづくりを進めています。障害を持つ学生や保護者からの個別相談も行っていますが、私立大からの問い合わせが増えているようです。これまでは、障害のある学生への「合理的な配慮」は国公立大が対象でしたが、来年4月には私大でも法的義務となります。

 日本学生支援機構によると、障害を持つ学生は全国の8割の大学に在籍します。発達障害の傾向はあっても診断がついていない学生の支援など、学生によって抱える障害や求める支援の方法は異なります。当然、大学によって、取り組みに温度差が出ます。フェッドでは講義の受講の支援機器など、支援のあり方を示す動画や資料も発信しています。

 京都大学発のHEAP(ヒープ)は、ネットワークを構築しながら、地域ごとにタウンミーティングの開催を促したり、学生や他大学からの個別相談に応じています。障害を持つ学生への支援は個性を生かすことを目途とする大学教育の方向性とも重なるものになっています。

 不登校が約29万人と最多を更新する中、その対応も進められています。文科省は全国の公立小中学校6,000校に空き教室を利用して不登校の児童・生徒を支援する「校内教育支援センター」を新設、子どもの居場所を確保する施策を打ち出しています。

 目的としては、不登校を未然に防いだり、登校復帰を支援したりすることとし、学習端末でクラスと遠隔でつなぎ、オンラインでの指導やテストを受けられることも想定しています。これは「校内フリースクール」とも呼ばれ、全国で約1万校が設置しているとされています。

 問題行動・不登校調査(文科省、2022)によれば、不登校の小中学生が299,408人となり、過去最多を更新、そのうち、38.2%にあたる114,217人は専門家の相談や支援を受けられていない状況です。

 文科省はすでに不登校対策をまとめた「COCOLO(こころ)プラン」を発表しています。また、校内教育支援センターに加え、スクールカウンセラーやソーシャルワーカーの配置、IC T支援も拡充、オンラインで指導や試験も受けられるようにし、こうした学びも成績評価に加えるように推奨しています。さらに、カリキュラムなどで柔軟な対応を認める「学びの多様化学校」(不登校特例校)の設置を広げ、将来的には300校の設置を目指すそうです。