校長ブログ

ヒューマノイド

2023.11.06 トレンド情報
11月6日

 出生率が低下し、人口が減少している先進国では、ヒト型ロボットであるヒューマノイドが働き手不足を補うパートナーとしての役割を演じることが期待されています。

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 例えば、ローマ近郊にある病院ではヒューマノイド「ロビー」(オーバーソニック)が患者のリハビリなどで活躍しています。今や、ロビーは患者と対話し、色や文字を当てるレクリエーションをするだけでなく、優しくまばたきをしたり、ゆっくり話すなど、患者が心を開く動きをするレベル。今後、AIが搭載され、学習能力を備えたロビーが脳神経の医療目的で導入され、患者の脳機能に与える影響の測定・分析実験を実施するそうです。 

 また、ヒューマノイド「アトラス」(ボストン・ダイナミクス)は、試作機ながら、障害物を跳び越え、両手で器用に軽作業をこなすとか...。将来的には、家庭に入り込み、自ら考え、行動するようになることが期待されています。

 ヒト型ロボットが求められるきっかけの一つになったのが福島第1原子力発電所の事故。米国は人が近づけない場所であっても活動できるロボットの研究・開発を推進、結果、人間が作り出した環境下で働くヒト型ロボットを大学や企業が競い合う格好になったのです。

 ゴールドマン・サックス(米)によれば、2035年までに市場規模は日本円にすると約23兆円になると予想されています。すでに、テスラが組み立て作業などに使える製品を数年内に2万ドル以下で出荷する方針を打ち出すなど、時流になりつつあるのは事実です。 

 しかし、サンフランシスコ市内でAIを搭載したロボタクシーが対向車線を逆走し、赤信号で交差点に進入した消防車をよけきれず、交差点内で緊急車両と衝突するなどの悲惨な事故も起こしています。

 いずれにせよ、ヒューマノイドが社会の構成員とするならば、人間と同じ義務を果たすべきだとの議論もあります。ビル・ゲイツ氏は、価値を生むロボットには納税義務があると主張しています。実際、EU(欧州連合)でロボット税が提案されたことがあるくらいです。IMF(国際通貨基金)は、ロボットやAIへの課税に触れた財政政策のリポート(2021)を公表しています。

 確かに、ヒューマノイドは人間にとって便利な存在ですが、どのように使いこなすかという責任も負うことになるのです。