校長ブログ
関西での大学発スタートアップ
2023.11.03
トレンド情報
11月3日
今、関西で大学発スタートアップが増加、大手企業のベンチャーキャピタル(VC)が拠点を開設しています。スタートアップとは、新しいアイデアや技術、製品、サービスを基にして設立され、新しい価値を提供、成長と拡大をめざす組織のこと。ベンチャーキャピタルとは、資金を提供する投資会社やファンドのことです。また、豊かな経験をもつ人々による支援プログラムも始動しており、関西初の10億ドル以上の価値がある未上場企業(ユニコーン)を生み出せるかどうかが注目されています。
例えば、京都に事務所を立ち上げたグローバル・ブレイン。マイクロソフト日本法人・官民ファンド出身者が所長を務め、医療に詳しい投資家を含む3人の事務所からスタート、さらに拡張していくとのこと。資産運用規模は2,600億円。すでに1,300億円超を内外のスタートアップに出資しています。関西で活動を始めたのは京大や阪大など、大学発のディープテック系スタートアップを有望視しているからだそうです。
ディープテックは核融合など、一般のIT系より革新的で高い問題解決能力を秘める分野のこと。製品開発まで赤字が続きリスクが大きい反面、製品ができれば企業価値を大きく伸ばせる可能性があります。関西では資金調達が困難な中、核融合の分野だけでも105億円の資金調達をした京都フュージョニアリングや約20億円を調達したEX-Fusion(エクスフュージョン)などがあります。
大阪産業局は、京大や阪大、神大など地元の大学が協力し、有望なスタートアップを推薦、第1期として、京大発で太陽電池を開発するOPTMASS(オプトマス)なども含む5社を採択し、最大1,000万円を支援しています。
経産省によると、大学発スタートアップは東大が371社、京大が267社と阪大が191社となっており、合計では関西が強いものの、資金調達額力では東京が強いとのこと。関西の大学の技術を用いたスタートアップが東京に設立されるケースも多いそうです。東京ではメルカリなど、急成長したスタートアップが誕生したことで一気に投資家や優秀な人材がスタートアップに流れ込みました。関西でもディープテックを起爆剤にユニコーンが誕生すれば、国内外のVCや事業会社が注目する拠点に化ける可能性があると見込まれています。