校長ブログ

日本の教育事情①

2023.10.24 トレンド情報
1024日

 日本私立学校振興・共済事業団の調査(2023)によれば、私立大学の53.3%にあたる320校が定員割れを起こしています。これは1999年度に調査を始めて以来、初めてとのこと。18歳人口の減少は予想以上に厳しく、定員が未充足な大学は前年より37校増加しています。短大に至っては92.0%と過去最高となっています。

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 私立大学は、3年連続で定員割れの割合が増加しています。都市部の大規模校に入学者が集まったこともあり、特に小規模校や地方は厳しい状態です。18歳人口を前年と比べると、約24千人減るにもかかわらず、募集定員が約4,700人増えていますから入学者が減るのは自明と言えます。ちなみに、定員全体に占める入学者の割合は1.3ポイント減の99.6%ですが、100%を下回るのは2021年度以来とのことです。

 規模別で見ると、規模が小さいほど減少幅が大きくなり、100人以上200人未満で87.5%400人以上500人未満で88.7%3千人以上になると103.7%となっています。地域別では東京や大阪とその周辺、愛知を合わせた三大都市圏の充足率は101.4%、その他の地域は93.5%276校ある短大の充足率は72.0%であり、志願倍率も初めて1倍を下回っています。

 18歳人口の減少は今後も加速する見込みであり、文科省は大学への入学者数が2040年に51万人、50年に49万人になると試算しています。入学定員が現状維持なら2割分が過剰な状況になると考えられています。教育未来創造会議は私学助成の配分を見直して大学に定員削減のインセンティブを与えるよう求めています。生き残りのポイントは社会での活躍に直結する教育内容に他なりません。

[参考]文科省は、志願者減が続く教員確保に向けて、大学や民間企業と連携して「地域教員希望枠」を設け、働き方改革に対応すべく、教員業務支援員を配置するそうです。また、「学校問題解決支援コーディネーター(仮称)」が協力する仕組み作り、大学が海外キャンパスを設置するなどのグローバル化を支援する方向性を打ち出しています。